26_東京都東大和市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.26
申請日:2021年7月12日
申請/実施責任者:東大和市環境課
場所:東京都東大和市
居住者:当事者本人(50代、女性、パート)、配偶者(40代、男、パート)
居住環境:借家/アパート
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:81頭
手術日:7月26日、30日、31日、8月1日、5日、10日、16日、17日、30日、31日、9月17日、24日、25日
協力病院:おおにし動物病院
チケット発行数:81頭
手術頭数:68頭(協力病院の休診などにより13頭が手術できず)
申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)
- 10年ぐらい前から未手術の猫を部屋の中に入れており、子猫が生まれる度に里親を探して譲渡していた。
- その後も猫は室内外を自由に行き来していたが、交通事故に遭う猫や戻ってこない猫が一定数おり、極端に猫の数が増えることはなかった。
- 交通事故に遭う猫が多く2~3年前から室内のみで飼うようになったが、全頭未手術であったため次々と猫が増え現在の頭数にまでなってしまった。
- 当事者の部屋から悪臭がすると他の居住者から管理会社に苦情が入り、管理会社から立ち入りを求められた当事者が知人を介してボランティアに相談し発覚。現場住居はペット飼育不可であった。
- 新型コロナウイルス感染症の影響による協力病院の休診などにより、チケット有効期間内に全頭手術できず、13頭が未手術となった。
- 現場がペット飼育不可であることから、未手術の13頭を含めた81頭の猫は現場に戻すことができず、公募した一時預かりなどに全頭保護されている。すでに41頭が譲渡された。
- 未手術の13頭については2度目の申請を検討中。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
7月26日 | 2 | 8 | 0 | 10 |
7月30日 | 0 | 3 | 0 | 3 |
7月31日 | 0 | 1 | 0 | 1 |
8月1日 | 8 | 5 | 0 | 13 |
8月5日 | 0 | 5 | 0 | 5 |
8月10日 | 0 | 5 | 0 | 5 |
8月16日 | 0 | 5 | 0 | 5 |
8月17日 | 2 | 0 | 0 | 2 |
8月30日 | 4 | 1 | 0 | 5 |
8月31日 | 5 | 0 | 0 | 5 |
9月17日 | 1 | 3 | 0 | 4 |
9月24日 | 7 | 0 | 0 | 7 |
9月25日 | 1 | 2 | 0 | 3 |
計 | 30 | 38 | 0 | 68 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
ボランティアの方々のご尽力で猫の移動、手術、譲渡までスムーズに行うことができた。新型コロナウイルス感染症という予測できない事態によって、チケットを有効期間内に使うことができなかった。
どうぶつ基金スタッフコメント
ペット飼育不可の賃貸物件で81頭の多頭飼育という案件でした。
多頭飼育崩壊が発覚するきっかけは主に4類型で、近隣住民からの相談(苦情)、ボランティアからの相談、本人からの相談、役所からの情報となっています。今回の案件も発覚のきっかけは他の居住者から管理会社への苦情でした。
不衛生な環境で糞尿の臭いにまみれ、十分な餌にありつけず、きれいな水を飲むこともできない…。現場がペット飼育不可のため猫を戻すことはできず、行き場を失った81頭の猫は一時保護というかたちでそのような環境から解放されました。
今回の問題点は、不妊手術をしていなかったことだけではありません。ペット飼育不可の賃貸物件で猫を飼育する、これは明らかにルール違反です。それくらいのルールさえ守れないのに、動物の命が守れるでしょうか。今回は多くの人の尽力によって全頭の行き場が確保されましたが、見つからなければどうなっていたでしょうか。当事者は今一度よく考える必要があります。