【さくらねこ便り】猫ボラさんお悩み相談室(4)TNR地域集中プロジェクトに関わって感じたこと

こんにちは、どうぶつ基金事務局です。

寒さも日ごとに緩み、いよいよ桜前線が日本を縦断し始める季節となりましたが、
「花冷え」という言葉も納得の激しい気温差に体調管理も一苦労です。

ヒトも、さくらねこも、待ち望む春の訪れ。
のんびりお花見でもしていたいところですが、春は猫の妊娠・出産シーズン。
どうぶつ基金のスタッフにそんな時間はありません。
2022年度も万全の体制でスタートするべく、さまざまな準備作業に追われています。

さて、昨年からお届けしてきた「猫ボラさんお悩み相談室」のシリーズ。
今回は最終回として、本シリーズですっかりおなじみの原田玲子様に、
TNR地域集中プロジェクトに関わって感じたことをお伺いしました。

「十三さくらねこの会」の代表でもある原田様は、
どうぶつ基金が2021年に実施した「TNR地域集中プロジェクト」の大阪に参加。
手術会場では縦横無尽のご活躍でした。

そんな原田様が「TNR地域集中プロジェクトに関わって感じたこと」とは何か。
シリーズ最終回となる第四弾をぜひご一読ください。

※これまでの配信回も併せてご一読ください!
第一弾:自治会会議等、地域で決定権のある方々への対応例(配信済み)
第二弾:ボランティアの話に耳を傾けてくださる住民の方への対応例(配信済み)
第三弾:猫ボラさん最大の壁!猫嫌いな方からの嫌がらせ対処法(配信済み)

*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*

こんにちは。
十三さくらねこの会の原田玲子と申します。

これまで、
第一弾「自治会会議等、地域で決定権のある方への対応例」
第二弾「ボランティアの話に耳を傾けて下さる住民の方への対応例」
第三弾「猫が嫌いな方・猫ボランティアへの嫌がらせもいとわない方への対応例」
について、自身の経験や心掛けていることをお話しさせていただきました。

最終回となる今回は
「TNR地域集中プロジェクトに関わって感じたこと」
について、述べさせていただきます。

どうぶつ基金様のTNR地域集中プロジェクトでは
会場に入ったどうぶつ基金様・獣医師・ボランティアスタッフ全員で
記念撮影をします。

どうぶつ基金病院(大阪)の集合写真

毎回、獣医さんの手術の技術の高さには感嘆致します。

スタッフの阿吽の呼吸・チームワークも素晴らしいです。

でも、このプロジェクトは、写真に写ってはいない沢山の方々に支えられています。
見たこともない猫たちの為に大切なお金を寄付して下さった方や
夜を徹して猫を捕獲して下さったボランティアさん等、
たくさんの方々の愛と情熱と行動によって成り立っています。


会場で直接接する機会の多い捕獲ボランティアさんは凄い人達ばかりです。
うだるような酷暑や厳冬の凍てつく寒さも関係ありません。

大雨に打たれ
真冬にガタガタ震え
真夏に大汗をかいて蚊に刺されまくられながら
長時間猫が出てくるのを待つことも多々あるでしょう。

そこには、損得や利害得失なんて
狭量なせせこましさは介在する余地はありません。

「不遇な猫を増やしたくない」
「産まれてすぐに殺されるという悲劇を無くしたい」
という思いに突き動かされているだけです。

他者の痛みに共感できる「慈悲の心」
他者の幸せを自分の幸せのように喜ぶ「利他の精神」
のみならず
続ける強さと折れない心を持った、地域の宝のような方ばかりです。

そんなボランティアさんを経済面で強力にサポートして下さる
どうぶつ基金様とさくらねこサポーターの皆様。

素晴らしい愛の循環の結実であるプロジェクトに関わらせて頂く名誉に
感謝の気持ちで一杯でごさいます。

会場でテキパキと作業する原田様

少し心配なことと言えば、
一部のボランティアさん達が、猫の幸せを優先させるあまり
ご自分のことを後回しにし過ぎておられることです。

なかには、疲弊して健康を損なっているように見える方もいらっしゃいます。
自戒も込めて、まずは慈悲や愛をご自分自身に向けて下さい。
あなたが倒れては、皆が本当に困ります。

先ずは、ご自分を大切にして幸せになり満たされて
それから猫や地域へ愛を注ぎ、
世の中を愛で満たしていきましょう。

十三さくらねこの会:原田玲子

*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*

いかがでしたでしょうか。

2021年度に初の試みとして開始した「TNR地域集中プロジェクト」は
想像以上の成果を上げることができました(詳しくは後日ご報告いたします)。

原田様をはじめ、
1日100頭以上の猫に丁寧な手術を行っていただいた獣医師の皆様、
受付や術前術後の管理など現場での作業にご尽力いただいたサポート団体の皆様、
各会場で事業に参加した協働行政の皆様、
そして何より、どうぶつ基金にご支援をいただいた寄付者の皆様。

この場を借りて、すべての皆様に心より感謝を申し上げます。


今後もどうぶつ基金は「殺処分ゼロ」の達成に向け、
決して手をゆるめることなく活動してまいります。
どうか皆様、これからもどうぶつ基金を
温かく見守っていただきますようお願い申し上げます。

*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*

「TNR地域集中プロジェクト」は2022年度も実施が決定しており、
公募によって選ばれた4地域(熊本、みやま、宮崎、八尾)では
4月の手術開始に向けて着々と準備が進んでいます。

TNR地域集中プロジェクト2022の詳細はこちら

「TNR地域集中プロジェクト」はもちろん、毎月の無料不妊手術チケット発行、
そして、離島での一斉TNRや多頭飼育崩壊の支援要請に迅速に対応できるのも、
ひとえに皆様の温かいご支援によるものです。

1頭でも多くのさくらねこを誕生させるため、2022年度も
全国のボランティア様や協力病院と力を合わせて取り組んでまいりますので
ぜひ継続したご寄付をご検討いただけましたら幸いです。

ご寄付はこちらから
https://www.doubutukikin.or.jp/contribution3/#form

※毎月のご寄付へすでにご参加いただいているにもかかわらず、
再度のご案内となりました場合は失礼をご容赦ください。

また、チケットが発行できても、手術をしてくださる動物病院がなければ
「さくらねこ無料不妊手術事業」は成り立ちません。
まだまだ、協力病院の数が不足しています。

特に、九州ではTNRを必要とする猫の数、
TNR活動を推進したいと考える行政の数に比べて圧倒的に病院が不足しており、
手術を希望する猫の頭数が手術可能頭数を大きく上回る状態が続いています。

どうか皆様にも、お近くの動物病院にお声がけいただくなど
協力病院増加のご協力をいただけますと幸いです。

最近の投稿
  • 【さくらねこ便り】捕獲器605台の寄贈が完了しました!
  • 【さくらねこ便り】署名大成功!大阪市の街ねこ事業改正決定
  • 【さくらねこ便り】飼い主のいない猫への餌やりに関して条例に規定することについて
  • 【さくらねこ便り】今さら聞けない「地域猫活動」ってなに?③