47_鳥取県日野郡日南町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.47
申請日:2021年10月15日
申請/実施責任者:日南町 福祉保健課
場所:鳥取県日野郡日南町
居住者:当事者本人(男、70歳、無職)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:15頭
手術日:10月29日、11月15日、12月20日
協力病院:ふじい動物病院
チケット発行数:10枚(手術対象体重に満たない子猫5頭を除く10頭分を申請)
手術頭数:8頭(1頭は当事者負担で手術済、1頭は行方不明のため2枚未使用となった)
協働ボランティア:鳥取県 にゃんこのお家
申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)
- 6年前に当事者の母が野良猫3頭を拾ってきて、自宅2階の部屋で飼育していた。
- その後、当事者の母が他界。兄と二人暮らしになってから猫を1階で飼育するようになった。その頃から繁殖を繰り返し、現在、成猫10頭、子猫5頭となっている。現在、兄も他界しており当事者の一人暮らし。
- 本人が「猫が増えて今後エサ代を払う事が難しくなる。どうしたらいいか」と担当のケアマネージャーへ相談。ケアマネージャーが役場に相談して発覚した。
- 当事者一人では、不妊手術の費用捻出、動物病院への運搬、里親探し等が難しいと判断。申請に至る。
- 10頭手術予定だったが、1頭は妊娠している可能性があったため当事者の費用負担で先に手術を行った、また、1頭が行方不明となってしまい手術できず2枚のチケットが未使用となった。
- 8頭が当事者宅に戻り、残る猫はボランティアにて保護および譲渡済み。
- 手術後に大人しくなった猫もおり、猫同士の喧嘩がなくなったように思われる。また、玄関の整理整頓と清掃を実施したことにより臭いが軽減した。
- 当事者宅敷地内の庭に猫のトイレがあり、近隣住民の迷惑にならないよう何カ所か土を掘って常に柔らかくすることで改善を図った(当事者には障害があり猫用トイレの管理が難しく、家にも抜け穴があって猫が室内外を自由に行き来できてしまうため)。
- 地域住民による定期的な頭数確認、餌やり、トイレの清掃(週1)を継続し、人馴れして抱っこできるようになった猫から里親探しを行う予定。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
10月29日 | 1 | 2 | 0 | 3 |
11月15日 | 2 | 2 | 0 | 4 |
12月20日 | 1 | 0 | 0 | 1 |
計 | 4 | 4 | 0 | 8 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
1つの捕獲器に2頭入ってしまった、最後の1頭がなかなか捕獲できなかった等、自分自身の勉強不足を感じた。また、手術前に1頭が行方不明、手術後さらに1頭が行方不明となり、定期的に現場を確認しているがまだ見つかっていない。当事者宅にまだ多くの猫が残っていることも反省点の1つである。
どうぶつ基金スタッフコメント
当事者の母親が存命だった頃は繁殖はしていなかったようですが、雌雄を分けて飼育していたのか等、詳細は分かりません。その母親が亡くなり、猫の飼育場所を2階→1階に変更したころから繁殖を繰り返し現在に至っています。
当事者は障害をお持ちで、自力ですべてのお世話をすることはできないようです。当面は近隣住民がサポートするようですが、1日でも早く1頭でも多く、猫たちが新しい家族を見つけられるよう祈るばかりです。
お世話をしていた人間がいなくなる-、それは猫の今後に大きな影響を与えます。自分が亡くなった後のことを元気なうちから考えておく、特に、猫に限らず命あるものの行き先はきちんと段取りをしておかなければいけません。これはすべての飼い主の義務です。