65_千葉県我孫子市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.65
申請日:2021年12月13日
申請/実施責任者:我孫子市 環境経済部 手賀沼課
場所:千葉県 我孫子市
居住者: 当事者本人(56歳、女、無職)、配偶者(56歳、男、スーパー勤務)
居住環境:借家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:61頭
手術日:2022年1月26日、2月5日、2月12日
協力病院:いながき動物病院
チケット発行数:65枚(申請時65頭としていたが実際は61頭だった)
手術頭数:58頭(1頭は手術前に死亡、2頭は高齢によるリスクを考慮し手術対象外となった)
協働ボランティア名:ねこ友会
申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)
- 当事者が結婚時に実家にいた猫を2頭を連れてきた。その後、娘が猫を拾ってきたり、ケガをしている猫などを保護したりするうち増えていった。
- そのような状況で10年程前は20頭程度の猫がいたが、子猫が生まれることはなく安心していた。
- ここ数年で野良猫が居ついたり、台風で被災した家の猫を引き取ったりしているうちに子猫が生まれだし、現在の頭数となった。
- ボランティア団体が当事者宅の近隣で対応していた際に当事者宅の窓から多くの猫がいることを見つけ、訪問したことで多頭飼育が発覚。
- 当事者は自身が元気なうちにすべての猫を看取りたいと考えているが、以前受けた不妊去勢手術の失敗により猫2頭を死なせたことがあり、なかなか踏み切れずにいた。また、一度は手術を決意したものの、コロナ禍で収入が月8万円ほど減り悩んでいた。
- 当事者が不妊手術の必要性を認識しており、行政およびボランティア団体に協力的であること、猫を虐待している様子もなく全ての猫を看取る意思を持ち愛着を持って飼育しているため申請を決定した。
- どうぶつ基金チケットにて58頭を手術済み。総数61頭のうち1頭が手術前に死亡、2頭は高齢により手術のリスクが大きいこと、また繁殖能力がないこともあり未手術となった。
- 手術したメス27頭のうち14頭が妊娠していた。
- 1頭はボランティア団体に引き取られたが、残る59頭はこのまま同じ場所に住み続け、当事者がすべての猫を終生飼養する。
- 飼育環境に大きな変化はないが、手術前より猫が活発になった印象を受けた。また、猫同士のケンカなどは減ったようである。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
1月26日 | 25 | 27 | 0 | 52 |
2月5日 | 3 | 0 | 0 | 3 |
2月12日 | 3 | 0 | 0 | 3 |
計 | 31 | 27 | 0 | 58 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
手術が必要なすべての猫に不妊手術を行えた事はよかったが、頭数についての確認が甘かったため、実際より多い枚数のチケットが発行されてしまった点が反省点。
どうぶつ基金スタッフコメント
当事者は結婚前から実家で猫と暮らしており、猫が増えた経緯も「子供が拾ってきた」「ケガした猫を保護した」「被災した家の猫を引き取った」というものでした。猫が好きな方なのだと思います。だからこそ、不妊手術をせずに多頭飼いすることがどのような結果を招くかを考えてほしかった、心からそう思います。
たまたま近隣で活動していたボランティア団体が発見し、解決につながりましたが、今回手術したメス27頭のうち14頭が妊娠していました。この子たちが出産していたらどうなっていたでしょうか。
譲渡された1頭を除く59頭を、当事者は強い意志を持って最期まで見届けるとのことですが、当事者がまた新たに猫を迎え入れることがないよう行政の継続的な関与が求められます。