67_福岡県古賀市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.67
申請日:2021年12月24日
申請/実施責任者:古賀市 環境課
場所:福岡県古賀市
居住者: 当事者本人(31歳、女、パート)、当事者の子(未成年)3人、姉(42歳、女、無職)、弟(21歳、男、自動車整備業)、母(62歳、女、パート)
居住環境:借家/集合住宅
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:62頭(申請時59頭)
手術日:2022年月1月28日、1月29日
協力病院:おおき犬と猫の病院
チケット発行数:37枚(申請時59頭のうち手術可能月齢に満たない子猫19頭と手術済3頭を除く37頭)
手術頭数:17頭(20頭の手術が不要となったため。下記の経緯を参照のこと)
協働ボランティア名:kogaねこ
申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)
- 当事者の姉が約2年前に拾ってきた4頭の野良猫が子猫を産み、その子がさらに子猫を産み…といった状況で頭数が増えていき現在に至る。
- 当事者の子供が学校で猫を飼っていることを話し、その際、臭いなどから生活環境が良くないのではということで学校から子育て支援課に相談があった。
- 当事者宅がペット禁止の物件であったため、子育て支援課から管理部署である管財課に相談、さらに管財課から動物担当部署である環境課に相談があり多頭飼育が判明。
- 当事者は不妊手術費用を捻出できず、このまま放置すればさらに頭数が増え殺処分となる可能性があるため申請に至る。
- 申請時の総数59頭のうち、手術済の成猫3頭と手術可能月齢に満たない子猫19頭を除く37頭で申請するも、後からベッド下で子猫3頭が見つかり総数は62頭となった。
- チケット発行前に、妊娠中もしくは妊娠の可能性がある11頭と譲渡先が決まった7頭をボランティアが費用負担して不妊手術を実施。また、授乳中のメス2頭が未手術となり、37枚のうち計20枚が未使用となった。
- 手術後に51頭をボランティアが保護して一部はすでに里親へ譲渡済み。未手術の子猫は離乳後にボランティアの費用負担で手術予定。
- 当事者家族は現在の住まいから転居するが、当事者と当事者の子が3頭、母と姉・弟は8頭を連れて別々に引っ越し飼育を継続する予定である。
- 手術後、不要なものを廃棄して清掃したことで臭いも軽減されている。また、頭数が減ったことで猫のストレスが軽減し、手術や駆虫により健康状態も良好となった。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
1月28日 | 9 | 0 | 0 | 9 |
1月29日 | 8 | 0 | 0 | 8 |
計 | 17 | 0 | 0 | 17 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
頭数が多かったが、ボランティアと協力して殺処分をせずに問題解決を図ることができた。反省点としては、ここまで増える前に気づき、迅速に対応すべきであった。
どうぶつ基金スタッフコメント
多頭飼育が発覚するきっかけは、近隣住民からの相談・苦情、ボランティアからの相談、本人および家族からの相談、役所からの情報連携という4種類に大別することができます。今回は「役所からの情報連携」のパターンですが、このように子どもの異変に気付いた学校が関係機関に連絡を入れて発覚するケースも少なくありません。
こういったケースでは、家庭がセンシティブな問題を抱えていることもあり、ボランティアが軽々に踏み込むと大問題に発展することがあります。だからこそ、どうぶつ基金の多頭飼育救済支援は行政が申請することを条件としています。
発見した多頭飼育崩壊を確実に解決するには、動物愛護だけではなく社会福祉の観点からのサポートが絶対に必要です。主張すべきことは主張しながらも、行政と相対するだけではなく味方につけること。これが解決の近道となります。