24_鹿児島県鹿屋市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.24
申請日:2023年7月3日
申請/実施責任者:鹿屋市役所 生活環境課
場所:鹿児島県 鹿屋市
居住者:当事者本人(70歳、男性、無職)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数:9頭
手術日:2023年8月4日
協力病院:ル・オーナペットクリニック
チケット発行数:9枚
手術頭数:6頭(1頭が行方不明、2頭が手術前に亡くなったため)
協働ボランティア:個人ボランティア
申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)
- 5年ほど前に1頭の野良猫が自宅に迷い込んで居座ったため、世話をするようになった。
- 当事者には知的障害があって周囲の声やさまざまな情報を理解しづらく、不妊手術の必要性についても知識がなかったことから、生まれては死んでを繰り返し徐々に頭数が増えていった。
- 当事者の元同僚が、当事者に生活保護を受けさせたいと考えて自宅を訪れた際、猫が複数いることを知った。猫がどんどん増えている状況を心配してボランティアに相談し、多頭飼育状態に陥っていることが発覚。
- 決まった時間に餌を与えること、糞尿を適切に処理すること、他人に迷惑をかけないことを直接伝えるとともに紙に書いて自宅に貼るよう指導を行った。
- しかし、当事者は自分の食事代も満足に出せない経済状況であった。これ以上猫が増えると、猫の餌代だけではなく当事者自身の生活もできなくなる恐れがあり、経済的な事情を考慮して申請に至った。
- 手術を予定していた9頭のうち、手術までに1頭が行方不明、2頭が亡くなってしまったが、残る6頭については不妊手術が完了。6頭は当事者宅へ戻り、当事者がこのまま飼育を続けていく。
- 発情がなくなり、猫の状態は穏やかになった。支援前も清掃はされていて飼育環境が特に悪い様子はなく、地域包括支援センターの担当者が当事者宅を継続して訪問するため、今後も環境が悪化することはないと考えている。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
8月4日 | 0 | 6 | 0 | 6 |
計 | 0 | 6 | 0 | 6 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
初めての案件であり、流れが理解できていないままスタートしたが、各関係者から教えてもらいながら手術を終えることができた。本案件を整理し、次回以降スムーズに事業を進めたい。
どうぶつ基金スタッフコメント
当事者を気にかけていた元同僚の方によって発見された多頭飼育でした。当事者の状況を考えれば、今後さらに悪化する可能性がありましたが、この段階で支援の手が入ってよかったと感じます。障害がある方へ情報を届けるのはとても難しいことで、福祉行政の充実はもちろん、元同僚の方のように周囲の協力が欠かせません。言葉にするのは簡単でも、実現するには困難が伴います。今回のケースではすべてが噛み合い、当事者も猫も救う支援となったことを嬉しく思います。