36_鹿児島県鹿屋市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.36
申請日:2023年8月9日
申請/実施責任者:鹿屋市役所 生活環境課
場所:鹿児島県 鹿屋市
居住者:当事者本人(70歳、男性、無職)、息子(40歳、会社員)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:22頭
手術日:2023年8月24日
協力病院:ル・オーナペットクリニック
チケット発行数:22枚
手術頭数:20頭(手術予定22頭のうち2頭が行方不明となり手術できず)
協働ボランティア:犬猫と共生できる社会をめざす会

申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)

  1. 5年ほど前、野良猫1頭に餌を与え始めた。
  2. 3年前までは、猫が入れ替わりながら1~2頭の状態が続いていたが、2年くらい前から猫の数が急激に増えていった。
  3. 当事者に知識がなく不妊手術の必要性を認識していなかったこと、また、別居している当事者の娘に言われるまま金銭を渡すなどして金銭的余裕がなかったことなどが多頭飼育状態に陥った背景である。
  4. 当事者と同居を始めた息子が、猫の不妊手術について市役所やボランティア団体に相談したことにより状況を把握した。
  5. 当事者にとって22頭の不妊手術費用は相当な経済的負担となることから申請を決定した。
  6. 手術予定は22頭であったが、2頭が行方不明となってしまい全20頭の手術となった。
  7. もともと自宅は綺麗に保たれており、猫の飼育環境も悪くなかった。手術後、猫は発情がなくなって穏やかになったとのこと。
  8. 今回手術済みとなった20頭は、引き続き当事者が飼育していく。
手術日 オス メス 耳カットのみ
8月24日 9 11 0 20
9 11 0 20

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
前回の手術より流れがスムーズとなった。まだ、ボランティアに質問ばかりなので、手術件数を増やして対応がよりスムーズになればいい。


どうぶつ基金スタッフコメント
支援直前で2頭が行方不明になってしまったことは残念でしたが、それ以外の20頭については全頭手術済みとなり、猫も穏やかになったとのこと。今後も当事者が飼養を継続しますが、もともと飼育環境は悪くないという報告を受けており、今いる20頭を大切に最後までお世話していただきたいと思います。
多頭飼育状態に陥った背景には家族間の事情や経済的な問題があるようですが、当事者と同居を始めた息子さんが外部に相談したことで今回の支援につながりました。こういったケースでは安易に猫の引き取りを依頼する家族も多いなか、不妊手術に目を向けてくれたことは幸いでした。
殺処分以外に解決方法があることを、多くの方、特に行政の方に知っていただきたいと感じています。


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