5_群馬県沼田市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.5
申請日:2023年4月14日
申請/実施責任者:沼田市 環境課
場所:群馬県沼田市
居住者:当事者本人(79歳、男 無職)
居住環境:賃貸/戸建て
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数:7頭
手術日:4月28日
協力病院:ふー動物病院 群⾺分院
チケット発行数:7枚
手術頭数:7頭
協働ボランティア:NPO法⼈群⾺わんにゃんネットワーク
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 5年ほど前から外猫へ餌付けをしていた高齢の近隣住人が⼊院したことで、当事者の家の周りに来る猫が増えた。飼う気はなかったが2頭の外猫へ餌付けをしたことから猫が居ついてしまった。
- 当時は仕事柄、留守にする時間が⻑かったため、室内へ置き餌をし出⼊り⾃由の状態にしていたことで新たな猫が居ついたり、母猫が仔猫を連れてくることで増えてしまった。数が増減した経緯はあるが、現在は7頭のみ。
- 2021年度から沼⽥市社会福祉協議会の専⾨員が当事者の担当となった。当時は2頭だったが、週2回の定期訪問中に出産などで頭数が徐々に増えていき、このまま増加することを⼼配して相談し発覚。
- 当事者の⾝体が不⾃由なこともあり、給餌量が適当かつ継ぎ⾜し餌や不⾜するなど不衛⽣で不安定であった。毎⽇⼀定量(頭数×1⽇に必要な量)を計算し給餌するよう提案。認知症とリウマチも進⾏しているため、社会福祉協議会やヘルパーが週2回訪問する際に給餌状況を⾒守るよう依頼。
- ⽣後6ヶ⽉頃の子猫もおり、当事者が⾼齢‧独居‧初期の認知症‧リウマチにより四肢を容易に動かせない状態で、⻑期にわたり世話をすることが困難と予想。当事者本⼈は避妊去勢⼿術をする必要性を感じていなかった。⽣活保護受給者であるため⼿術費⽤を捻出できず、妊娠猫も⾒受けられ早急な対応が必要と判断し、申請に至った。
- 居住部屋とは別の部屋に猫用の居場所を設け飼養環境も改善された。当事者の健康状態(認知症等)から、十分な水を提供する指導は困難なため、雨水が溜まるよう、かつ外水道の蛇口をひねれば補充できる場所にタライを設置。協働ボランティアの不定期訪問時、気付いた者が補充し、猫に十分な水分を提供できるようにした。
- 個体識別、頭数を把握しているため当事者は引き続き猫7頭を飼養する。認知症が進行したり現在の住まいで居住できなくなった際は、譲渡も視野にいれている。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
4月28日 | 3 | 4 | 0 | 7 |
計 | 3 | 4 | 0 | 7 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
当市で3例目だったことから、これまでの経験からスムーズにボランティア団体と連携し実施することができた。
どうぶつ基金スタッフコメント
近所の高齢の餌やりさんが入院してしまったことを考えると、その時に猫を救ったのは間違いなく当事者だったのだと思います。行政からの報告を見ると、当事者は猫を飼うことには無縁の人だったのでしょう。最近は餌やりさんの高齢化も顕著なので、こういった事態は全国のどこでも起こりえることです。また、当事者の健康状態や年齢(79歳)を考えると譲渡を早急に検討すべきかと感じます。里親探しは時間がかかる場合もあります。ボランティア団体が定期的に見回ってくれているようですが、そういったサポートが継続している間に1頭ずつでも譲渡することも検討したほうがよいかもしれません。今回も福祉関係者からの相談で多頭飼育崩壊が発覚したケースです。今後も行政の見守りを引き続きお願いしたいと思います。