2_福島県白河市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.2
申請日:2023年4月6日
申請/実施責任者:白河市 環境保全課 環境衛生係
場所:福島県 白河市
居住者:当事者本人(45歳、無職)、次女(21歳、パート)、三女(17歳、学生)、四女(14歳、学生)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:13頭
手術日:4月14日
協力病院:きもと動物病院
チケット発行数:11枚(2頭はすでに手術済み)
手術頭数:10頭(1頭が手術前に亡くなったため)
協働ボランティア:特定非営利活動法人 白河花里倶楽部

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 2023年3月20日に1回目の申請があった案件である。チケットは発行されたが、関係者の都合が合わずチケット有効期限内に実施できなかったため、2023年度に改めて申請を行った。
    ※白河市1回目のレポートはこちら
  2. 20年前に2頭の猫を飼育し始めた。不妊手術をせずに室内で飼育を続け、12~13年の間に頭数が増えていった。
  3. 四女が学校に登校した際、アトピーがひどく顔や首周りが赤く腫れ上がっていた。学校から「アレルギーがあり、家庭で猫を多頭飼育していることで症状が悪化していると思われる」との相談が寄せられたことがきっかけで多頭飼育状態が発覚。
  4. こども支援課が家庭訪問をし、四女の母である当事者に飼育状況を確認。2頭の不妊手術は実施したが、当事者には収入がなく全頭の不妊手術はできない状況である。
  5. 当事者による解決は見込めないことから、協働ボランティア団体に相談。1回目の申請以降、3~4月で子猫が1頭増えたため、一刻も早い支援が必要と思い2回目の申請に至った。
  6. 未手術の猫は11頭であったが、1頭が手術前に亡くなってしまったため10頭の不妊手術を行った。手術後の猫の健康状態に問題はない。
  7. 全頭当事者宅に戻り、当事者は同じ場所に住み続け飼養を継続する。
手術日 オス メス 耳カットのみ
4月14日 4 6 0 10
4 6 0 10

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
ボランティア団体と連携し取り組むことができた。


どうぶつ基金スタッフコメント
2023年3月にチケットが発行されたものの、スケジュール調整ができず実施できなかった案件です。
猫は完全室内飼育、雌雄もほぼ半々ですから、本来はもっと頭数が増えていてもおかしくない状況であり、これまでどのような状態であったかは容易に想像できます。今回の支援で全頭が手術済みとなり、今後は当事者が新たな猫を招き入れない限り増えることはありません。
しかし、これはあくまで解決への第一歩です。これまでの事例をみても、多頭飼育崩壊を起こす世帯の多くが福祉的なサポートを必要としていました。恐らく本件の当事者にも行政によるサポートが必要でしょう。今後もこども支援課など関係する部署と情報を共有し、猫については適切な飼育環境が維持できるよう、また、譲渡によって飼育頭数を減らすことも視野に入れてサポートを継続していただきたいと思います。


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