38_北海道共和町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.38
申請日:2023年8月18日
申請/実施責任者:共和町 住民生活課
場所:北海道共和町
居住者:当事者含め3名
居住環境:貸家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:11頭
手術日:9月7日
協力病院:Mobile VET Office
チケット発行数:10枚(手術済みの1頭を除く10頭分を申請)
手術頭数:6頭(子猫3頭が申請後に譲渡決定、成猫1頭が捕獲できず未手術)
協働ボランティア名:なし

申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)

  1. 2022年11月頃、野良猫の親子(いずれもメス)が家の前で凍えていたため保護し、その後、家族と思われるオス猫を同様の理由で保護した。
  2. 2023年3月か4月に親猫のお腹が大きくなっているのを発見。6月頃に子猫が生まれているのを確認した。
  3. 8月に知人の紹介により後志総合振興局環境生活課に相談し、多頭飼育状況が発覚。
  4. これ以上増やさない取り組みをすること、屋外にいる猫に餌を与えないこと、屋外にいる猫を自宅の中に入れないこと、自宅の猫を外に出さないことを北海道後志総合振興局環境生活課の職員と当事者宅にて指導した。
  5. 当事者自身の負担による不妊手術の実施をお願いしたが、費用をどうしても工面することができず、息子や親族も難しい状況であるため、当事者だけでは子猫が生殖能力を持つまでの間に不妊手術の実施が難しいと判断し、申請を決定。
  6. 手術済みの成猫オス1頭を除く10頭分を申請したが、申請後に後志総合振興局の「飼い主さがしノート」の活用で、子猫8頭のうち3頭の譲渡が決定。未手術の子猫3頭は譲渡先で不妊手術を実施する。成猫メス1頭と子猫5頭を手術することができたが、もう1頭の成猫メスが警戒して捕獲器に入らず手術することができなかった。
  7. 未手術の成猫1頭については、後日、当事者が費用を負担し手術を行う予定である(1頭分の手術費用なら捻出できると当事者に確認済み)。
  8. 手術後に後志総合振興局の「飼い主さがしノート」を活用し、子猫4頭が譲渡された。成猫3頭(オス1頭、メス2頭(うち1頭が未手術))は当事者と息子が終生飼養する。残っている子猫1頭は、引き続き譲渡先を探していく。
  9. トイレや運動スペースは十分確保されており、使用していなかった2階、3階部分は使用していない衣類や本などが積み上がっており、数を減らすとともに清掃は定期的に実施するよう指導した。
手術日オスメス耳カットのみ
9月7日3306
3306

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
成猫1頭が捕獲器を警戒して捕獲出来ず、不妊手術を受けさせることが出来なかった。


どうぶつ基金スタッフコメント
凍えている猫の親子を救いたいという、当事者の優しい気持ちは非難されるものではありません。当事者が保護しなければ猫たちは命を落としていた可能性もあります。ただ、猫の繁殖力の高さと不妊手術の重要性に対する考えが甘かったため多頭飼育崩壊に陥ってしまいました。どうぶつ基金をはじめ、多くの動物愛護団体が啓発を行っていますが、常識と言えるまでには認知されていないのだなと、あらためて力不足を感じます。
本件は、申請前~手術後にかけて大半の子猫が譲渡され、当事者宅には4頭のみが残りました(子猫1頭は譲渡先探しを継続中)。猫にとっても当事者にとっても良い方向に進んでいますが、未手術の成猫が1頭残っており気は抜けません。この1頭から支援が元通りになってしまうこともあります。行政は今回の支援で対応完了とせず、すべての猫が手術済みとなるまで見届けていただきたいと思います。


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