11_福岡県新宮町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.11
申請日:2023年5月9日
申請/実施責任者:新宮町役場 環境課
場所:福岡県糟屋郡新宮町
居住者:当事者本人(62歳、女、パート)
居住環境:貸家/アパート
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数:18頭
手術日:6月13日、7月11日
協力病院:cat spot clinic
チケット発行数:9枚(手術済み9頭を除き、残り9頭分を申請)
手術頭数:9頭
協働ボランティア:新宮猫の会
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 30年ほど前に野良猫を1頭保護して飼い始めた。
- 数年前に当時飼育していた猫9頭を連れて新宮町に引っ越してきた。その後、妊娠していた野良猫を家に入れたのが2回ほど続き、どんどん増えて18頭になった。現在、手術済みの猫が9頭、未手術の猫が9頭いる状況である。
- ボランティアから役場に情報提供があり多頭飼育状態が発覚。
- 当事者は生活保護を受給していて手術費用の工面は困難な状況。また、部屋を片付けることが苦手なようで、これ以上頭数が増えると生活環境がさらに悪化する恐れがある(現在も部屋は糞尿の臭いが激しい)。猫の健康状態が悪化する可能性もあるため、早急な対応が必要との判断に至り、指導を行う前に支援を申請した。
- チケットによって未手術の9頭が手術済みとなった。全18頭は引き続き当事者宅で暮らすが、里親探しを行って全頭譲渡する予定である。
- 手術後はケージから出して飼育できるようになって家の中を自由に動けるようになり、猫のストレスは軽減されている。
- 当事者に清掃等をするように伝えていたが、あまり改善は見られない。他人を家に入れることに抵抗があり、居宅内に立ち入るのは難しい状況である。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
6月13日 | 4 | 2 | 0 | 6 |
7月11日 | 3 | 0 | 0 | 3 |
計 | 7 | 2 | 0 | 9 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
コンベニア注射の費用負担が発生すること(※)について、当事者への説明が申請後になってしまった。事前に病院と費用について何が生じるか確認する必要があった。なお、今回の費用負担について当事者とのトラブルは生じなかった。
※2023/9/27追記(支援後の写真について)
申請時には当事者と役場の間に協力者がいたが、当事者と協力者の方の関係がこじれてしまった。また、当事者が他人を家にあげることを拒否しているたため、支援後の現場写真を撮影することができなくなってしまった。
※事務局追記
多頭飼育救済枠チケットの使用にあたり、コンべニア投与は必須ではありません。今回は協力病院からの勧めによって、当事者同意のもと当事者の費用負担で投与されました。
どうぶつ基金スタッフコメント
予定していた猫9頭の不妊手術を行うことができました。全頭が手術済みとなったことでケージから出して飼育することができるようになり、猫のストレスは改善されたようです。
しかし、支援後は他人の立ち入りを拒んでおり、飼育環境、特に衛生面が改善されているかどうかの確認ができていません。また、当事者と協力者の関係がこじれてしまっており、今後の飼育に関するアドバイスやサポートが困難な状況であることも考えられます。
当事者には猫たちが健やかに暮らせるように飼育環境を整える責任があります。決して今回の支援を無駄にしないよう、命ある家族を苦しめることのないよう、その責任を果たしてほしいと思います。また、直接的なサポートは難しくとも、行政には引き続き状況の把握に努めていただきたいと思います。