65_北海道共和町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.65
申請日:2023年12月4日
申請/実施責任者:共和町 住民生活課
場所:北海道岩内郡共和町
居住者:当事者1名
居住環境:貸家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:35頭(40頭で申請するも実際は35頭であった)
手術日:12月19日、12月20日
協力病院:Mobile VET Office
チケット発行数:40枚(当初の総数40頭分を申請)
手術頭数:35頭
協働ボランティア:なし
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 2021年ごろ、野良猫を保護して餌をあげはじめた。不妊手術をしていなかったため、少しずつ数が増えて多頭飼育状態となった。
- 近隣住民から猫が畑などを荒らす行為や糞尿被害について町や振興局に相談があり発覚。
- 当事者に対して不妊手術の実施等の指導を2回行ったが、収入が少なく生活費を捻出するだけでも厳しい状況。指導を継続しても事態の改善が望めないこと、また、近隣住民の被害も深刻でこれ以上のトラブルを回避するために申請を決定した。
- 頭数が多いことから猫の運搬が難しく、捕獲も苦慮することが予想されたため、当初は当事者宅の敷地内にて往診による手術を実施する予定であった。しかし、最高気温が0度とかなり低く、麻酔後の猫の安静場所として寒すぎるため町の公共施設にて手術を行った(振興局、どうぶつ基金の双方に相談のうえ了承を取り付けた)。
- 40頭で申請したが実際は35頭であった。全頭手術済みとなり当事者宅に戻されたが、当事者が飼養を継続しながら譲渡を進め、飼養頭数を減らしていく予定。
- 不妊手術等によって性格は落ち着いてきたものの、居住スペースに対して頭数が多いことからオス同士の喧嘩が見られる。ただ、猫の健康状態は問題なく、支援後は定期的に清掃するようになってトイレも設置され、飼育状況は改善されている。
- 今後は、後志総合振興局の「飼い主さがしノート」や道内の動物愛護団体へ声かけするなどして譲渡先を探していく(すでに3頭が譲渡済みとなった)。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
12月19日 | 10 | 10 | 0 | 20 |
12月20日 | 5 | 10 | 0 | 15 |
計 | 15 | 20 | 0 | 35 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
35頭に増えるまでに至ってしまったが、今回、猫の不妊手術を実施することが出来た。
どうぶつ基金スタッフコメント
本件では協働するボランティアはいませんでしたが、町や振興局など行政の方が猫の捕獲や手術場所までの運搬等に尽力され、現場にいた猫35頭全頭に不妊手術を実施することができました。多頭飼育崩壊に至った経緯から、本件当事者については今後も注意が必要となります。今回の支援が無駄にならないよう、近隣住民の力もお借りし、新たな猫が増えていないか定期的に確認するとともに、近隣に野良猫がいる場合は地域全体のTNRに取り組んでいただきたいと思います。
オス猫同士の喧嘩が見られるとのことですが、飼育スペースの狭さによるストレスから起こっているのでしょうか…譲渡が進んで飼育頭数が減ってくると解決できる問題かもしれませんが、相性を見て部屋を分けて飼育するなど、今できる対応を検討していただきたいところです。