81_鹿児島県鹿児島市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.81
申請日:2024年3月18日
申請/実施責任者:鹿児島市 生活衛生課
場所:鹿児島県鹿児島市
居住者:当事者本人(78歳、男、無職)長男(43歳、無職)長女(38歳、無職)
居住環境:貸家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):19頭(7頭)
手術日:3月26日
協力病院:ル・オーナペットクリニック
チケット発行数:12枚(幼齢の子猫を除く成猫12頭分を申請)
手術頭数:11頭(授乳中の母猫1頭が興奮し、育児放棄の恐れがあったため手術出来ず)
協働ボランティア:NPO法人 犬猫と共生できる社会をめざす会鹿児島

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 2年前に1頭の野良猫が住みつき、屋内で子猫を出産。その後も、室内外を行き来しながら、妊娠、出産を繰り返して現在の頭数に至る。
  2. 近隣住民から「猫を放し飼いにしている家があり、糞尿被害を受けている」と市に相談があり、当事者宅を訪問したところ多頭飼育であることを確認した。
  3. 当事者一家は、多頭飼育の状態に危機感を感じながらも、経済的な理由から不妊手術を実施できずにおり、不衛生な部屋で繁殖を繰り返す多数の猫と生活している。
  4. トイレの増設や管理を指導したが、高齢の父親と無職の兄妹の3人家族で経済的な余裕はなく、当事者家族で全頭の不妊手術することは困難との判断に至り申請を決定した。
  5. 当初は子猫4頭を含め総数16頭、生まれて間もない子猫4頭を除く成猫12頭分を申請したが、実際には子猫が7頭おり総数は19頭であった。
  6. 成猫11頭は手術済みとなったが、授乳中の母猫が興奮してしまい、育児放棄の恐れがあったことから離乳まで手術を見送ることになった。未手術となった母猫1頭と子猫7頭は離乳後に2度目の申請を予定している。
  7. 手術後、猫の状態に変化はない。室内や糞尿であふれていたトイレを清掃したことで臭いが軽減し、今後の管理方法を指導したことで飼養環境も改善した。

※鹿児島市 2回目レポートはこちら

手術日オスメス耳カットのみ
3月26日65011
65011

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
高齢の父親と無職の兄妹は経済的な余裕がなく、多数の猫の不妊去勢手術を実施できずにいたが、どうぶつ基金の支援を受け、これ以上の繁殖を防ぐことができた。
他の猫の捕獲時に、母猫が興奮状態となり、最も散乱した部屋(寝室)に子猫を移動してしまい、育児放棄を起こしかねない状況であったため、母猫の手術と寝室の清掃を見送ることとなった。
当事者宅の探知のきっかけは、近隣からの苦情であったが、短期間に手術が実施できたことで、周辺住民も安堵した様子が見られた。今後も訪問を続け、子猫の離乳後、2度目の申請をする予定。


どうぶつ基金スタッフコメント
近隣住民からの苦情が発覚のきっかけでしたが、当事者家族はもちろん、近隣住民の方も安心できる結果となったのではないでしょうか。とはいえ、1頭の母猫と7頭の子猫が未手術のまま残っており、ここで食い止めなければ、人も猫ももっと悲惨な状況に追いやられてしまいます。
多頭飼育救済は「すぐに全頭」手術をしなければ意味がありません。今回の支援が水の泡とならないよう、訪問を継続し、2回目申請のタイミングを逃さないようにしていただきたいです。


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