30_沖縄県糸満市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.30
申請日:2023年7月13日
申請/実施責任者:糸満市 市民生活環境課
場所:沖縄県糸満市
居住者:当事者本人(82歳、男、無職)
居住環境:貸家/アパート
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:10頭(9頭で申請するも実際は10頭であった)
手術日:8月24日、25日、10月26日、30日
協力病院:豊見城動物高度医療センター
チケット発行数:9枚
手術頭数:8頭(子猫2頭は支援前に譲渡先が見つかったため)
協働ボランティア:なし

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 2022年1月、当事者が入居していた養護施設に1頭の猫が来た。痩せて弱っていたため、餌を与えたら居つくようになった。最初の1頭に餌をあげた翌日に別の猫が来て、またその翌日に別の猫が生まれたばかりの子猫を口にくわえてやって来た。そうして徐々に居つく頭数が増えていった。
  2. 2023年3月頃に担当ケアマネージャーが訪問した際、施設のベランダで猫6頭を見かけた。施設管理者に話を聞くと、入居者が餌を与え子猫は室内に入れて飼育をしているとのこと(本来ペットを施設内に入れることは不可)。施設管理者も猫の頭数の増加にどう対処したらよいかわからないと相談があり多頭飼育が発覚した。
  3. 発覚した時点で、本来猫を飼育することができない施設で飼育している、子猫と一緒に寝ている、室内に糞があり衛生状態が悪化した状態。部屋が不衛生のため、掃除をするよう施設管理者と担当ケアマネージャーが当事者に指導した。
  4. 当事者は収入が年金しかなく手術は実施できない。猫を含むペットを飼えない施設に1年以上も猫がいる状況であり、当事者からも猫の頭数が多く面倒を見ることができないとの申し出があり申請に至った。
  5. 当初、子猫2頭を含む9頭の申請であったが、支援前に子猫2頭が譲渡された。新たに発見された猫1頭を含め、残りの8頭がチケットにより手術済みとなった。
  6. 発覚前は、当事者が入居している部屋は衛生状態が悪かったとの報告があったが、その後、入居施設の職員が清掃してくれているため衛生状態は少し改善している。
  7. 猫の食事は施設での当事者の食事から分け与えていたが、今後はキャットフードにすること、トイレを設置することなどを指導した。
  8. 施設管理者より、手術済みの8頭については施設内で飼養することを認めるとの許可がもらえたため、当事者が施設内で飼養を継続する。
手術日オスメス耳カットのみ
8月24日1102
8月25日2002
10月26日1102
10月30日1102
5308

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
2023年の3月に包括支援係が当事案を把握し、立ち入りが7月となり初動が遅かったわけではないが、把握した3月時点で本来猫の飼育が出来ない施設で既に6頭を部屋の中にも入れるなどして飼育している状態で、対処が困難になっていた。


どうぶつ基金スタッフコメント
まずは、施設が猫の飼育継続を認めてくれたことに感謝したいと思います。施設職員の方の「どう対処したらよいかわからない」という言葉から、このような問題が生じた際の相談対応の体制確立が必要であると感じました。また、過去に支援した案件のうち、多頭飼育崩壊が始まるきっかけとして「野良猫に餌をあげはじめた」「野良猫を保護した」というケースは多くあります。周辺のTNRを進めることも、多頭飼育崩壊の一つの予防策になるのではないでしょうか。
本件では8頭全頭が手術済みとなり、当事者が新たな猫を引き入れない限り、これ以上頭数が増えることはありません。当事者が猫を増やすことがないよう、施設職員の方やケアマネージャーの方、担当行政間で今後も連絡を密にしていただきたいです。


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