71_長野県北安曇郡松川村多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.71
申請日:2024年1月24日
申請/実施責任者:松川村役場 住民課
場所:長野県北安曇郡松川村
居住者:当事者本人(70歳、男、無職)配偶者(71歳、女、無職)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):19頭(1頭)
手術日:3月2日
協力病院:しんけん動物病院
チケット発行数:8枚(手術済み11頭を除く8頭分を申請)
手術頭数:8頭
協働ボランティア:松川犬猫の会
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 約10年前に近所の4頭の猫(飼っていた方が亡くなった)にお酒を飲むときのつまみをあげて餌付けをしてしまった。
- その4頭のうち1頭のメスが現在に至るまで子猫を生み続け、約10年かけて頭数が少しずつ増えていった。
- 少しずつ不妊手術を行っているが、出産を続けるメス猫は捕獲器を仕掛けても捕まえることができず、全頭完了まで至っていない。
- 福祉で生活困窮の相談を受けた際、多頭飼育についても相談があった。福祉からの情報提供を受けて多頭飼育状態であることを把握した。
- 当事者には、①屋外の餌場については飼い猫以外も来てしまうので時間を決めること、②飼い猫の正確な数を把握し不妊手術を計画的に実施して他の猫を居つかせないようにすること、③近隣の迷惑にもなるので砂場などトイレを設置すること、④子猫が生まれてしまったら必ず保健所に相談すること、を指導した。
- 当事者も少しずつ不妊手術を行って数が増えない努力をしているが、生活が困窮して間に合っておらず、餌代もかかっている。現在は虐待に該当する状況ではないが、これ以上数が増えると管理が出来ないことは明白なため、未実施の個体の手術を行うことにより、飼育頭数を減らし適正飼育を継続できるようにするため申請に至った。
- チケットによって全頭の不妊手術を行うことができた。猫はこのまま同じ場所に暮らし、当事者が飼育を継続する。餌の管理が徹底されるようになり、他の猫が寄り付かなくなった。猫の健康状態は良好である。
- 手術後は餌を出しっぱなしにすることがなくなり衛生的になった。また、猫の飼育に関して当事者の悩みも軽減され、ゆとりが生まれたことで離れの周りの整理も始めた。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
3月2日 | 7 | 1 | 0 | 8 |
計 | 7 | 1 | 0 | 8 |
【現場写真(支援前)】
【現場写真(支援後)】
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
予定していたすべての不妊手術を速やかに実施することができた。
どうぶつ基金スタッフコメント
福祉部門からの情報提供により発覚したケースです。費用捻出も厳しいなか、当事者なりに不妊手術を続けてきましたが、繁殖力の高いメス1頭が捕獲できず、最終的に19頭にまで増えてしまいました。今回の支援でそのメス1頭を含む全頭が手術済みとなり、当事者にとって安堵できる状況になったのではないかと思われます。現在は餌の管理がしっかりできており、新たな猫の流入はなく衛生環境も改善されたようです。
当事者はすでに福祉につながっていますので、今後は生活支援等を受けながら、自分自身とご家族、そして猫たちとの暮らしを立て直すことができるよう願っています。