82_埼玉県越谷市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.82
申請日:2024年3月21日
申請/実施責任者:越谷市保健所 生活衛生課
場所:埼玉県 越谷市
居住者:当事者本人(56歳、男、建設業)、配偶者(65歳、専業主婦)、長男(40歳、建設業)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):63頭(30頭)(申請時総数70頭だったが実際は63頭であった)
手術日:3月23日
協力病院:いながき動物病院
チケット発行数:63枚(当初の70頭から手術済み7頭を除く63頭分を申請)
手術頭数:39頭(手術前にボランティアが13頭保護、病院搬送後に捕獲した4頭は保健所が引き取った)
協働ボランティア:かにさんズにゃみりー
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 約15年前に2頭の猫をペットショップで購入した。
- しばらくして、当事者の息子がもう1頭ペットショップで購入。その後から猫が増え始めた。当初は、子猫の譲渡や不妊手術の実施で一定の頭数(30頭前後)で推移していたが、ここ1年で急速に増えていった。
- 2024年2月に当事者から電話相談があり発覚。2024年3月に計3回訪問し、雌雄を分けて飼育し、頭数を把握するよう指導を行った。
- しかし、猫の頭数があまりに多く行政のみで対応可能な範疇を超えており、当事者の経済状況から自力で不妊手術を実施することは不可能との判断に至る。時間が経過するほど猫が増えていく恐れがあったため申請を決定した。
- 当初、猫の総数は70頭で手術済み7頭をのぞく63頭分を申請。しかし、実際には63頭であった。チケットを使用して39頭が手術済み。13頭は手術前にボランティアが保護し全頭手術済み。病院搬送後に捕獲された4頭は保健所に収容され、うち1頭は衰弱しており保健所獣医師による処置を行ったがなくなった。3頭は譲渡済み(全て手術済み)。当事者はそのまま同じ場所に住み、猫は順次保健所およびボランティアが引き取る予定である。
- 飼育頭数が減少したことにより、スペースにゆとりができ、トイレを新たに設置。不妊手術と同時に実施した治療により、健康状態が改善された。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
3月23日 | 18 | 21 | 0 | 39 |
計 | 18 | 21 | 0 | 39 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
チケットが利用可能となった翌日に手術が必要な猫はすべて手術を完了することができた。チケットで賄えない治療費が高額であったが、ボランティアの協力を得ることができた。
どうぶつ基金スタッフコメント
ペットショップで2頭の猫を購入したのが約15年前。ここ1年で猫が増えたとのことですが、行政の報告によると、それまでの間も30頭前後で推移とあります。一般的に考えて、普通の家庭が飼育する頭数としては多すぎます。当事者からの相談を受けて自宅を訪問した際、健康状態や栄養状態が悪い猫は見られなかったとのことですが、最終的に高額な医療費が発生したことを考えれば健康管理ができていなかったということになります。
自分たちが適切に管理できる頭数をしっかりと見極めること、そして、繁殖制限をきちんと行うこと。これは、飼い主が当然行うべき義務であり、猫たちが毎日を健やかに穏やかに過ごすためにも必要なことです。