11_富山県富山市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.11
申請日:2024年5月9日
申請/実施責任者:富山市保健所 生活衛生課
場所:富山県富山市
居住者:当事者本人(43歳 女 無職)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):12頭(2頭)(当初50頭で申請するも実際は12頭であった)
手術日:5月24日、5月25日、5月28日
協力病院:滑川さくらねこ動物病院
チケット発行数:50枚
手術頭数:10頭(手術が必要な12頭のうち、2頭は幼齢のため手術できず)
協働ボランティア:個人ボランティア
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 2年くらい前、餌をあげていた3頭の野良猫を家の中に入れて家猫にした。
- 家の中に入れた猫が繁殖して2年ほどで増加。並行して家の外にいる野良猫を家の中に入れ続けていた。
- 当事者が入院し、当事者の親が家を訪問したところ、家の中が荒れていて多数の猫がいた。数が多いうえ、増え続けている様子なので心配になって保健所に相談したことから発覚。
- 相談を受けて、猫がこれ以上増えないよう不妊手術をするよう提案。当初は自費で不妊手術を実施する予定であったが、当事者の経済状況から自費での実施が困難になった。相談者である当事者の親は不妊手術を実施する意志があるため申請に至った。
- 前回別の多頭飼育救済を実施した際に想定した頭数を超過したため、今回多めに50枚で申請したところ実際は12頭であった。チケットによって成猫10頭は手術済みとなったが、2頭が幼齢のため手術不可となった。一部、栄養不良の猫がいたが支援後は改善されている。
- 当該家屋に猫を戻す予定で現場の片づけを行ってトイレを設置するなど、当事者も積極的に取り組み、非常にきれいになったが、最終的には別のアパート(当該家屋より飼育環境としては良い)で猫を飼育することになった。
- 手術済みの成猫2頭については、新しい飼育場所となるアパートで当事者が飼養を継続する。未手術の子猫2頭を含む10頭については2名のボランティアが保護し、新たな飼い主を探す。9月5日時点で9頭が譲渡済みである。
- 未手術の子猫2頭は手術可能な年齢に達し次第、ボランティアの費用負担により手術予定である。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
---|---|---|---|---|
5月24日 | 3 | 3 | 0 | 6 |
5月25日 | 0 | 1 | 0 | 1 |
5月28日 | 2 | 1 | 0 | 3 |
計 | 5 | 5 | 0 | 10 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
前回実施時、想定した頭数を超過したため、多めに申請したところチケットが余る結果となった。
現場の清掃については、今まで取り組んだどの事例よりも当事者が積極的だったため非常にきれいになった。
当該家屋にリリースするつもりで現場の片づけを行い、トイレも設置したが、最終的には別の場所で猫を飼育することになった。ただし、別の場所の方が当該家屋より環境が良いので結果的には良かった。
どうぶつ基金スタッフコメント
頭数確認がずさんすぎます。もちろん、最初の現場確認で正確に猫の頭数を把握することは難しいのですが、正確な数を確認することは、現場の状況をよく確認することにもつながるため、しっかりと行っていただきたいと思います。
ともあれ、本件については当事者も解決にむけて積極的に取り組んでおり、より飼育環境の整ったアパートで成猫2頭のみ飼育を継続することとなりました。ただし、多頭飼育崩壊に陥った経緯をみると今後も注意が必要です。同じことを繰り返さないよう、定期的に訪問するなど長期的な関与が必要でしょう。