17_千葉県君津市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.17
申請日:2024年6月5日
申請/実施責任者:君津市役所 環境衛生課
場所:千葉県君津市
居住者:当事者本人(41歳、女、パートタイマー)、夫(43歳、会社員)、息子(17歳、学生)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):23頭(5頭)
手術日:7月21日
協力病院:ふー動物病院 袖ヶ浦
チケット発行数:15枚(手術済みの3頭と子猫5頭を除く15頭で申請)
手術頭数:15頭
協働ボランティア:猫レンジャー
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 10年前、ネズミ取りがついた状態で捨てられていたメスの子猫1頭を可哀想に思い保護した。
- 8年前にオス1頭を新たに保護。その後2年間は生まれた子猫を知り合いなどに譲渡していたが、3年目から貰い手がなく、生まれた子猫を育てているうちに猫が増えてしまった。
- TNR活動に協力してくれているボランティア団体から情報提供があり、多頭飼育状態であることを確認した。
- 猫用に空いている部屋を1つ解放して猫が安心して眠れるスペースを確保すること、給餌の場所とトイレが近すぎるためトイレの場所を離すこと、猫用フードを購入し人が食べるものは与えないこと、痩せている子は別に食事場所を確保して内容も変えて食べている量を確認することなど、飼養環境の改善について指導した。
- しかし、猫の鳴き声等に対する苦情もあり、当事者の生活もこれ以上の多頭飼育ができる環境にはないことから、これ以上増えないよう支援の申請を行うこととなった。
- 23頭のうち、子猫5頭はボランティア団体が保護して全頭が譲渡され、不妊手術は時機をみて里親にて実施予定である。残る18頭のうち手術済みの3頭を除く15頭分を申請して手術を行った。現場に残る猫18頭はこれですべて手術済みとなり、当事者が飼育を継続する。
- 手術後は全体的に猫が太ってきたようで健康状態に問題はなさそうである。トイレの数も2個→3個に増え、掃除がされるようになって臭いも軽減された。整理整頓して猫の生活場所を確保、冷暖房のある部屋へ移動予定である。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
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7月21日 | 7 | 8 | 0 | 15 |
計 | 7 | 8 | 0 | 15 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
手術に向けて1ヶ月前より猫の体調管理と室内の片付けを行い、全頭手術が終わりました。
どうぶつ基金スタッフコメント
子猫5頭は支援前に保護・譲渡され、現場に残る18頭も今回の支援によって全頭手術済みとなりました。ただ、これはあくまで解決の第一歩です。猫の生活はもちろん、自分たちのためにも衛生環境の改善に取り組むこと、猫の健康管理をしっかり行うことなど、当事者が飼い主としてやらなければいけないことは数多くあります。不妊手術をして終わり、ではありません。行政には今後も状況確認や指導を続けていただきたいと思います。
捨てられた猫を保護したこと自体は非難されることではありませんが、結果的に多頭飼育崩壊に陥ってしまいました。最初の2頭に不妊手術をしておけば避けられた事態です。
令和2年6月に施行された改正動物愛護法では、適正な飼養が困難な場合は不妊去勢手術などの措置を行うことが飼い主に義務付けられましたが、今もなお多頭飼育崩壊は発生し続けています。法律は正しく運用しなければ有名無実化してしまいます。当事者に対し、動物愛護法違反であることを明確に伝え、理解させることも必要だと感じます。