18_福岡県宇美町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.18
申請日:2024年6月5日
申請/実施責任者:宇美町役場 環境課
場所:福岡県糟屋郡宇美町
居住者:当事者本人(45歳、女)、同居人(47歳、男)、長男(16歳)
居住環境:貸家/戸建て
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):34頭(0頭)
手術日:7月6日、7月31日、8月20日
協力病院:なな。猫達のための病院
チケット発行数:6枚(手術済み26頭と病気治療中の2頭を除く6頭分を申請)
手術頭数:6頭
協働ボランティア:動物愛護団体うみねこ
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 町内に転入した2018年頃に、他者から譲り受ける・餌やり等によって繁殖する等で4頭の猫を飼い始めた。
- 未手術の2頭が近親交配を繰り返し、多頭飼育状態となった。
- 家族間のトラブルにより警察が初期対応を行った際、室内の状況を確認して多頭飼育であることが発覚。
- 当事者家族の入院等により直接の指導ができず、警察署、保健福祉事務所、動物愛護団体と協働で猫の不妊手術と室内の環境改善を行ってきた。
- 保健福祉事務所と立ち合いを行い、福岡県多頭飼育問題対策事業実施要領に基づき「動物愛護団体うみねこ」と協働することになったため申請に至る。
- 総数34頭のうち26頭がすでに手術済み(うち22頭は福岡県の補助金とボランティアが費用を負担)。未手術8頭のうち、健康状態が悪く治療中の2頭を除く6頭のチケットを申請して手術を行い、34頭中32頭が手術済みとなった。
- 病気治療中の未手術2頭については、健康状態が回復してから動物愛護団体が費用を負担して不妊手術を行う予定だが、高齢で状態が悪く時期は未定である。
- 未手術の猫2頭を含む20頭をボランティアが保護、残る14頭は当事者宅で飼育を継続しているが、現在の住居に住み続けるかは不明。当事者が入退院を繰り返しているため、猫の管理は同居人が行っており、飼育アドバイザー、ボランティア団体が定期的に訪問し指導助言等を行っている。疥癬治療中であり、状態回復後に譲渡会やSNSを通じて里親募集を行い全頭譲渡を目指す。
- 14頭の猫は手術を行ったことによりストレスが軽減されたようである。ブルーシートとケージを設置したことで糞尿による悪臭等が軽減され、トイレも増設して室内の環境が改善された。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
---|---|---|---|---|
7月6日 | 1 | 1 | 0 | 2 |
7月31日 | 1 | 1 | 0 | 2 |
8月20日 | 0 | 2 | 0 | 2 |
計 | 2 | 4 | 0 | 6 |
【現場写真(支援前)】
【現場写真(支援後】
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
当事者と家族が入院していた間の約2ヶ月、毎日2回猫の世話を行い、糞尿による汚れた部屋を改善するため、連日清掃を行った。
ボランティアが引き取った20頭の健康状態が悪く、医療費が大幅にかかり、県の補助制度では賄えない部分も出てしまった。もう少し資金に余裕があれば、より多くの選択ができたと思われる。
どうぶつ基金スタッフコメント
当事者や当事者家族の入院期間中は行政やボランティア団体が猫のお世話や清掃に入るなど、関係者は本案件を解決すべく尽力されてきたことと思います。福岡県の補助制度を利用するなどして未手術の猫は8頭となっていました。今回の支援で、獣医師の判断により手術中止となった2頭を除く32頭が手術済みとなり、当事者宅には14頭の猫が残っています。飼育環境の改善はいまだ継続中ですが、現在の住居を退去する可能性もあるとのこと。14頭の譲渡を進めるためにも、引き続き積極的な関与をお願いしたいと思います。