16_埼玉県吉見町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.16
申請日:2024年6月5日
申請/実施責任者:吉見町 環境課
場所:埼玉県比企郡吉見町
居住者:当事者本人(43歳、女、無職)配偶者(42歳、運送業※休職中)配偶者父(67歳、無職)長女(14歳、学生)長男(11歳、学生)次女(11歳、学生)次男(6歳)三女(6歳)四女(6歳)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):27頭(8頭)
手術日:7月11日、7月18日、8月22日
協力病院:堀どうぶつ病院
チケット発行数:24枚(手術済み3頭を除く24頭分を申請)
手術頭数:18頭(2頭が死亡、4頭が行方不明となったため6枚未使用)
協働ボランティア:なし

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 20年ほど前、約10頭の野良猫を保護した。
  2. 祖父母が生きていた頃から野良猫に餌やりを行っており、2015年に亡くなって以降は当事者の母が餌やりを続けていた。一部は家の中で飼うようになっていたが、2024年4月にその母も亡くなり、残された猫が室内外に多数おり、面倒を見きれず対応に苦慮している。
  3. 2024年5月31日に当事者から電話で相談があり、6月4日に来庁した当事者より詳細を聞き、翌5日に当事者宅を訪問。
  4. 現地の状況を確認したところ、各部屋内で雌雄と子猫を分けているものの不完全で、さらに頭数が増加する可能性がある。トイレや寝床が不足しており、治療中ではあるがケガをしている猫もいた。内装も障子等の破損が激しく劣悪な環境である。
  5. 当事者は現状の解決と不妊手術の実施に関して積極的な意思があることから、適切な飼育及び不妊手術に関する流れを説明。しかし、当事者は無職で配偶者は休職中。安定した収入がなく、劣悪な飼育環境や更なる頭数増加の恐れを踏まえ、一刻も早く対策を講じる必要性から申請を決定した。
  6. 総数27頭のうち手術済み3頭を除く24頭分を申請。18頭はチケットを使用して不妊手術を行ったが、2頭が死亡、4頭が行方不明となったため6枚が未使用となった。現在、21頭の猫が現場に残っている。
  7. 行方不明を含め、今後の対応は当事者の自己負担で行う予定。
  8. 手術後は清掃し臭いが改善され、十分なトイレの数が確保された。健康状態、ストレス共に改善が見られた。
手術日オスメス耳カットのみ
7月11日~7月18日、
8月22日
513018
513018

※実施時に行政で手術日ごとの内訳が正しく記録されていなかったため上記の表示とする。

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
死亡、行方不明が出たものの、それ以外のすべての猫は不妊手術が期間内に実施できた。


どうぶつ基金スタッフコメント
支援前に2頭が亡くなってしまったことは残念でしたが、行方不明になった4頭を除いて全頭手術済みとなり、真の解決に向けて動き出したと言えます。
本件当事者は今の状況が適切ではないことを理解し、自ら行政にSOSを出したことで今回の支援につながりました。この支援を無駄にしないためにも、当事者には、行方不明の猫が戻ってきた際には必ず不妊手術を行うこと、現場に残る21頭について今以上に飼育環境を整えてしっかりとお世話をすること、そして、大切にしてくれる里親が見つかれば譲渡することも考えていただきたいと思います。
当事者家族の猫との関わりは、祖父母の代の餌やりから始まって飼育を始めた当事者母が亡くなり、当事者が引き継いできました。こういったご家庭は全国に数多くあると思われますが、時代が変われば猫を取り巻く環境も彼らの幸せのかたちも変わります。飼っている動物を不幸にしないためには、飼い主自身がその意識をアップデートしていくことが重要ではないでしょうか。


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