44_鹿児島県薩摩川内市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.44
申請日:2024年11月22日
申請/実施責任者:薩摩川内市 環境課
場所:鹿児島県薩摩川内市
居住者:当事者本人(73歳 女 アルバイト)、長男(50歳 住職)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):70頭(2頭)
手術日:12月3日、12月4日
協力病院:ル・オーナペットクリニック
チケット発行数:50枚(手術済み20頭を除く50頭分を申請)
手術頭数:50頭
協働ボランティア:NPO法人 犬猫と共生できる社会をめざす会鹿児島

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 4年前に2頭の野良猫を保護したことから始まり、3年ほど前から多頭飼育状態に陥っている。
  2. 当事者の自宅周辺には野良猫が多く、体調不良や交通事故防止のために自宅内に保護するとすぐに頭数が増えてしまった。当事者は不妊手術を始めたが居住する島には動物病院がない。フェリーで猫を搬送する必要があることから一度に手術できる頭数が少なく、不妊手術が追い付かずに現在の状況となった。
  3. 近所の猫好きな方が動物病院へ相談。動物病院→ボランティア団体→市へ情報提供があり発覚した。近隣住民からも島内の支所に苦情が寄せられていた。
  4. 餌の管理や糞尿処理について指導を行うとともに、当事者への直接的な指導ではないが、猫の適正飼養について町内放送を行った。
  5. 猫が増え続けている状況であること、頭数が多く当事者が不妊手術費用を自己負担するのは難しいことから申請を決定。離島であることから往診による対応を希望し、どうぶつ基金と協力病院の了承を得た。
  6. 当事者敷地内にて往診による不妊手術を実施。予定していた50頭全て手術済みとなった。
  7. 骨折して手術が必要な猫がおり本土の動物病院で治療する必要があったが、この猫については、本件にご協力いただいた「ル・オーナペットクリニック」で現在治療中。これまで、軽傷の猫は島に月1回出張診療にくる獣医師に診てもらっていたが、出張診療で対応できない場合も必ず動物病院において治療を受けさせるよう指導している。
  8. 手術時にワクチン接種やノミダニ駆除も行い、猫の健康状態は良くなっている。もともと室内は比較的きれいな状態だったが、支援後の清掃で室内の臭いも軽減された。支援前から室内環境は整理され、トイレや運動スペースも確保されており、猫は特に変化なく穏やかに過ごしている。
  9. 当事者と猫は、今後も現在の居住地に住み続ける。
手術日オスメス耳カットのみ
12月3日2221447
12月4日0303
2224450

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
島で多頭飼育救済支援の取り組みを行うのは初めてだったが、ボランティア団体と連携して行うことができた。
当事者も今まで少しずつ不妊手術を進めてきたが、今回の支援で一斉に不妊手術を行うことができて安心したようだった。
今回は動物病院のない島ということで、往診による手術を許可していただきありがとうございました。
市内には、他にも多頭飼育になりそうな事例があるようなので、引き続き情報収集に努めていきたい。


どうぶつ基金スタッフコメント
総数70頭のうち手術が必要な猫が50頭、交通の便が悪い離島という難しい案件でしたが、往診による2日間の手術で解決に向けて大きな一歩を踏み出しました。往診にご協力いただいた「ル・オーナペットクリニック」様にはあらためて感謝を申し上げます。
当事者にも問題意識はあり、自力で少しずつ不妊手術を進めていましたが、離島という環境ではままならない部分があったと推察します。行政からの報告に「当事者も安心したようだった」とありますが、それが偽らざる気持ちでしょう。近隣住民の理解を得られるよう飼育環境をさらに見直し、猫に必要な医療を継続して受けさせ、愛情をもって最後の1頭までお世話することが、当事者が今後果たすべき責任です。


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