33_北海道中富良野町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)(往診)
申請No.33
申請日:2024年9月26日
申請/実施責任者:中富良野町 税務住民課
場所:北海道空知郡中富良野町
居住者:当事者本人(74歳、男、無職)配偶者(72歳、女、無職)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数(うち子猫の頭数):20頭(5頭)
手術日:11月28日
協力病院:Mobile VET Office
チケット発行数:20枚
手術頭数:14頭(譲渡、死亡により6頭分がチケットは未使用となった)
協働ボランティア:なし
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 約30年前、当事者の息子がメス猫1頭を知人から譲り受けた。そこから1年ほどで多頭飼育状態になった。
- 猫をもらってきた息子は事故死しており、そこからは息子の形見だと思って増えても増えても飼い続けた。
- 当事者より市に相談があり多頭飼育が発覚。
- 病気の猫を動物病院に連れて行き、外と出入りできる壁の穴を塞ぐよう指導したが、当事者家族の生活にもかなりの支障がでている状況で、このままでは人も猫も幸せに暮らせないものと判断し申請に至る。
- 病院までかなりの距離があることや頭数が多く一度に搬送できないことから往診による不妊手術を希望。どうぶつ基金および協力病院の承諾を得て、町有地(振興局より往診扱いとする許可有)を手術場所として往診による不妊手術を実施。
- 手術前に5頭が譲渡、1頭が死亡したため手術対象は14頭。全頭が今回の支援により手術済みとなった。
- トイレの数を1個→2個に増やし、トイレ清掃も以前より頻繁に行うようになった。手術後、市が何度か訪問しているが、猫は全頭元気に過ごしている。
- 14頭の猫は今後も当事者が飼養を継続するが、北海道上川総合振興局の「新しい飼い主探しノート」に掲載してもらって新しい飼い主を探している。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
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11月28日 | 4 | 10 | 0 | 14 |
計 | 4 | 10 | 0 | 14 |
【現場写真(支援前)】


今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
冬で外が寒く猫が家の中にいたため、全頭捕獲・全頭手術することができました。本当に良かったです。
どうぶつ基金スタッフコメント
今回、協力病院までの距離等を考慮し、往診による支援実施となりました。ご協力いただきましたMobile VET Office様にはこの場を借りて、あらためて感謝を申し上げます。
今回の支援を経て当事者のもとに残った14頭はすべて手術済みとなりました。新たな猫を迎え入れない限り増えることはありません。猫を形見としてお世話し続けてきた当事者もほっとしたのではないでしょうか。今後は、少しずつでも飼養環境の改善に取り組みながら、市や振興局の協力のもと譲渡先探しを続けていただきたいと思います。
なお、手術前に譲渡された5頭については恐らく未手術とのこと。今回の事案のように、知人からもらった猫を未手術で飼育したことから多頭飼育崩壊になることも十分考えられるため、譲り受けた方に不妊手術について案内するよう行政に申し入れを行いました。