20_北海道苫小牧市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.20
申請日:2021年7月1日
申請/実施責任者:苫小牧市 環境生活課
場所:北海道 苫小牧市
居住者: 当事者本人(72歳、女、無職)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数:19頭
手術日:2021年8月2日、8月26日
協力病院:Mobile VET Office
チケット発行数:4枚(15頭は手術済み)
手術頭数:3頭(当事者申告では4頭だったが実際は3頭だった)
協働ボランティア名:NPO法人 猫と人を繋ぐツキネコ北海道
申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)
- 当事者は10年以上前から3~5匹程度を適正に飼育していたが、野良猫等の保護や自然繁殖によって現在の頭数にまで増えてしまった。
- 3年ほど前に当事者が体調を崩し、清掃を含め猫の適正飼育が困難となる。
- 市内在住の孫が、当事者に依頼されて猫の世話をするようになるも毎日通うことができず、適正飼育に限界を感じてNPO法人に相談したことから多頭飼育崩壊が発覚。
- 19頭のうち15頭はすでに当事者で手術済み。当事者より未手術の猫は4頭と申告されていたが、実際は3頭であったためチケット1枚は未使用となった。
- また、未手術と申告のあった3頭のうち2頭はすでに手術済み。耳カットのみを行った。
- 手術後、ボランティアによる清掃作業が行われて衛生環境が改善されたほか、現場にいた猫は全頭、NPO団体に保護された。
- 4頭がすでに新しい飼い主に譲渡され、4頭は譲渡に向けてトライアル中。支援期間中に現場で1頭、NPO団体のもとで1頭の計2頭が亡くなった。
- 残った9頭はNPO団体のもとで里親探しを継続中である。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
8月2日 | 0 | 1 | 1 | 2 |
8月26日 | 0 | 0 | 1 | 1 |
計 | 0 | 1 | 2 | 3 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
当事者の要望であった、全ての猫を里親に出す方向で調整できたことから自己評価点は100点としたい。
どうぶつ基金スタッフコメント
19頭のうち未手術の猫は1頭しかいませんでした。ほとんどの猫に不妊手術をしていたということは、当事者自身、問題意識があったのだと思います。
野良猫の保護に取り組んでこられた方が、最終的に適正飼育ができない状況に陥ることは少なくありません。人間は年を取り、病気にもなり、そして誰しもいつか亡くなります。その時にともに暮らした犬や猫を路頭に迷わせないこと、これは飼い主の最低限の責任です。今回は、当事者の孫がSOSを出したことで解決に至りましたが、本来であれば、十分なお世話ができなくなった時点で当事者自らがSOSを出すべきでした。
このようなケースは日本中に埋もれているはずです。埋もれている多頭飼育崩壊を発見するには、周囲の目が欠かせません。ご近所の方、行政、ボランティア団体などが連携し、少しでも早く見つけ出す体制づくりが必要ですね。