29_鹿児島県鹿児島市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.29
申請日:2021年7月29日
申請/実施責任者:鹿児島市 生活衛生課
場所:鹿児島県鹿児島市
居住者:当事者本人(66歳、女性、パート)、夫(77歳、男性、無職)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:17頭(手術済み1頭と月齢の満たない子猫4頭を含む)
手術日:2021年8月19日、9月28日
協力病院:ル・オーナペットクリニック
チケット発行数:12枚
手術頭数:12頭

申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)

  1. 6年前に雌猫2頭を保護し、飼い始めた。
  2. 不妊手術をしないまま室内外を自由に出入りさせており、そのうちに近所の猫と交配して妊娠・出産。
  3. その後も繁殖を繰り返し、現在の数まで増加した。
  4. 室内に決まったトイレが設置されておらず、猫は屋外の庭のほか、室内の新聞紙を敷いた床や布団などにも排泄している状況である。
  5. 当事者も、このままではいけないと考えているが、家族の介護や経済的な理由から、自身で全頭の手術を行うことが困難な状況であった。
  6. 県外在住の当事者の姉が、当事者宅を訪問して事態に気付き、保健所へ相談したことで発覚した。
  7. 手術後はトイレを複数設置したことで、室内の臭い等も改善され、猫のストレスも軽減されたと思われる。
  8. 子猫4頭も当事者負担で手術を終えており全頭手術済みとなった。猫は全頭、当事者が飼育を継続する。
手術日 オス メス 耳カットのみ
8月19日 6 5 0 11
9月28日 0 1 0 1
6 6 0 12

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
当事者自身では経済的に全頭の手術を行うことが困難な状況であったが、どうぶつ基金の支援を受けられたことで、探知から比較的短期間で全頭の手術を行うことができ、これ以上の繁殖を回避することができた。
トイレの管理や清掃状況等も指導により一定の改善は見られたが、今後も適正な飼養管理が継続されるよう、定期的な確認・指導を行っていきたい。


どうぶつ基金スタッフコメント
最初の2頭の段階で不妊手術さえしておけば、このような事態にはなりませんでした。毎回感じることですが、猫の繁殖能力の高さを侮っていてはいけません。屋内飼育が徹底できていればまだしも、未手術で室内外を行き来させれば100%このようなことになります。
今回のケースでは、当事者の姉が異常に気付いた段階で素早く保健所に相談し、17頭の段階で止めることができました。子猫が4頭産まれていたことを考えると、ここで発覚しなければさらにひどい状況になっていたでしょう。
支援後はトイレも設置され、室内の衛生環境も改善されています。子猫4頭も当事者が負担して不妊手術を終え、これ以上繁殖することはありません。当事者も心中穏やかになったのではないでしょうか。


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