34_福岡県筑紫野市多頭飼育救済支援レポート(行政枠) 同案件2回目
申請No.34
申請日:2021年8月6日
申請/実施責任者:筑紫野市 環境課
場所:福岡県筑紫野市
居住者: 当事者本人(男、60歳)
居住環境:借家/戸建て
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数:57頭(1回目支援終了時は60頭との報告であったが実際には57頭だった)
手術日:9月8日
協力病院:どうぶつ基金病院(福岡)
チケット発行数:4枚(未手術の4頭分を申請)
手術頭数:4頭
申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)
- 1回目の支援時に、猫の総数が申請時の49頭を大きく超えていることが判明。1回目の支援後に7頭が譲渡され、2頭が亡くなっている。2回目の支援に向けて正確に頭数を確認したところ全部で48頭おり、うち44頭が手術済み、4頭が未手術の状態だった。
※1回目レポートはこちら。 - 残り4頭について2回目の申請に至る。
- 今回の支援で現場の猫はすべて手術済みとなった。
- 手術後、トイレを4つ増設したことによって糞尿の臭いが軽減された。
- 弱っている猫や外傷のある猫はおらず、今後も当事者宅で飼育を継続しながら里親を探していく。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
9月8日 | 0 | 4 | 0 | 4 |
計 | 0 | 4 | 0 | 4 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
1回目支援時の経験を活かして、猫の捕獲や引き渡しを手際よくスムーズに行うことができた。
手術開始時間の連絡がうまくいかず1時間速く着いてしまったが、その後の確認がうまくいったことで無事に猫を引き渡すことができた。
今回は数え損ねていた猫もおらず、2回の手術で現場の猫全頭に不妊手術をすることができた。
どうぶつ基金スタッフコメント
1回目の支援は2021年1月~2月にかけて実施されましたが、申請数以上の猫が見つかり、未手術の猫7頭が残ってしまっていました。行政は当初、7頭全頭がメスであること、また、当事者宅の周辺に集まっていた猫が見当たらなくなったという理由で、未手術の猫の不妊手術を急ぐ必要はないと判断しており、どうぶつ基金から早急に手術を実施するよう申し入れていた案件です。
結果、2回目の申請で手術対象となった4頭のうち1頭はすでに妊娠。今回の手術がなければまた子猫が産まれ、数年度には元の状態に戻っていたことでしょう。猫にとっても体の負担が大きい堕胎を伴う手術となってしまいました。
多頭飼育救済において「全部やる」は鉄則です。
今回のケースを教訓として、行政には未手術の猫を残すことの重大性を再認識してもらいたいと思います。
1回目の支援後に7頭の譲渡先が決まるなど嬉しい報告もありましたが、それでもまだ現場には48頭の猫がいます。多頭飼育崩壊に至った経緯を考えれば、この当事者には継続した指導と支援が必要です。手術の成果を無駄にしないためにも、行政には今後も当事者と関わり続けることを強く求めます。