4_山梨県笛吹市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.4
申請日:2021年2月12日
申請/実施責任者:笛吹市 環境推進課
場所:山梨県笛吹市
居住者: 当事者本人(58歳、男、無職)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:60頭(1回目の支援後は56頭としていたが最終的に60頭であった)
手術日:3月5日、4月5日
協力病院:ふー動物病院(神奈川県)
チケット発行数:28枚(未手術の28頭分を申請)
手術頭数:25頭(3頭外へ逃げてしまい捕獲できず)

申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)

  1. 1回目の支援時に想定以上の猫が現場にいることが判明。1回目で26頭の手術を行ったが、未手術で残ってしまった28頭について再申請となった。
    ※笛吹市1回目レポートはこちら
  2. 1回目の支援後に飼育環境は大きく改善されている。当事者宅1階の6畳間と8畳間が猫専用部屋となり、ボランティア団体が継続して猫のお世話に入っている。
  3. 今回、28頭のうち25頭は手術を行うことができたが、3頭が屋外に脱走してしまった。
  4. 脱走した猫は数日間付近に姿があり、捕獲を試みたが捕まえることができず。当事者宅へ通うボランティアからは、最近は付近でそれらしい姿を見ることはないとの報告があがっており、行方が分からない状態。よって現状では脱走した猫への手術は計画していない。
  5. 最終的な60頭の内訳は以下のとおりである。
    ・1回目の手術実施頭数:26頭
    ・2回目の手術実施頭数:25頭
    ・チケットを利用せず手術:6頭(うち1頭が病死)
    ・家の外に脱走し行方不明:3頭
    脱走した3頭と病死した1頭を除く56頭が現場に残っている。
手術日 オス メス 耳カットのみ
3月5日 14 10 0 24
4月5日 0 1 0 1
14 11 0 25

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
本案件について、すべての作業工程が終了するも、術後の猫の生活を当事者だけでは任せられず、ボランティアが毎日世話に行かなければならない状況である。


どうぶつ基金スタッフコメント
年度をまたぐ2回の申請を経て、総数60頭の案件が解決しました。脱走して行方不明になってしまった3頭は残念な結果となりましたが、ボランティア団体が現場に継続してお世話に入っており、現場に戻ってくることがあれば対応が可能な状況です。いつか元気に戻ってきてくれたら…と願います。
1回目の支援後に飼育環境や衛生環境は大きく改善されました。しかしながら、当事者だけでは術後の猫のお世話ができず、ボランティア団体が継続して関わることで猫たちの暮らしは維持されています。目先の問題は解決できましたが、残念ながら、報告内容からは当事者がその責任を果たしているとは思えません。
多頭飼育崩壊は次から次へと発覚しています。そのたびにボランティア団体が犬や猫を引き受けていたのでは、今度はボランティア団体が立ち行かなくなります。単に「犬や猫が救われてよかった」で済ませるのではなく、当事者自身が「飼い主責任」を果たせるようにサポートしていくことが必要ではないでしょうか。


 
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