55_堺保健福祉総合センター多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.55
申請日:2022年1月14日
申請/実施責任者:堺保健福祉総合センター
場所:大阪府堺市
居住者:当事者本人(男、59歳、無職)
居住環境:借家/アパート
生活保護の受給状況:受給している
多頭飼育現場の猫の総数:5頭
手術日:実施なし
協力病院:どうぶつ基金病院(大阪)
チケット発行数:5枚
手術頭数:0頭
協働ボランティア名:なし

申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)

  1. 3年前に1頭の野良猫を拾い保護したのがきっかけ。
  2. その野良猫を買い始めたが、妊娠・出産を繰り返すようになり、気がつけば21頭までに増えていた。
  3. 感染症などで徐々に頭数が減り、現在は5頭になったが、5頭を育てるので精一杯の状態である。
  4. 近隣住人からの情報提供で発覚。
  5. 近隣住人からクレームが入っていることや、衛生的な観点からも避妊手術をすべきだと判断し、また生活保護受給者のため避妊手術の費用を工面することが難しいため申請に至った。
  6. 手術当日、当事者の体調不良により会場に向かう事が出来ず全頭未手術で終了。

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】
支援未実施のためなし

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
この度はチケット発行ありがとうございました。しかしながら利用しない結果になり申し訳ございませんでした。
当事者に会場の場所と電車の時間が載った用紙を手渡し、何度か一緒にシミュレーションをしましたが、当日当事者が体調を崩され、会場に向かう事が出来ませんでした。
ご高齢という事もあり、遠方に向かうのが難しかったのかもしれません。本人は時間がかかってもいいので費用を貯めて近所の動物病院で手術をする予定と仰っていました。
貴法人に無料チケットを交付して頂いたにも関わらず、利用出来ず申し訳ございませんでした。


どうぶつ基金スタッフコメント
「当日、本人が体調不良のため病院に行けなかった」との報告ですが、どうぶつ基金の多頭飼育救済支援は、当事者本人が猫の搬送をすることは認めていません。また、猫の搬送時には行政が必ず立ち会うこととしていますが、これも守られていませんでした。当日に行政が立ち会っていれば、猫の搬送をルール通りに当事者以外が行っていれば、今頃は5頭すべて手術済みとなり、この案件は解決していたことでしょう。
本来、その地域で発覚した多頭飼育崩壊は行政が解決すべき問題であり、行政の役割はチケットを申請することだけではないはずです。今後の対策を聞いたところ、当事者が手術費用を貯めて5頭のうち1頭のメス(残り4頭はオス猫とのこと)のみ手術するという、いつ実現するかも分からない予定が返ってきました。当事者は生活保護受給者で、不妊手術費用を工面することが難しいことを把握しているにも関わらず、です。
1頭も手術できず何も解決できていないまま、今後は現場となった集合住宅の管理会社担当者と当事者に任せて行政は関与しないとのこと。憤りを感じずにはいられません。事務局としては、5頭全頭の再申請を行うよう強く申し入れを行い対応を終了しています。
数年後この現場はどうなっているでしょうか。もし、数十頭という不幸な猫が発見されたら、それは行政の不作為によるものだと考えます。


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