5_富山県富山市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.5
申請日:2021年3月4日
申請/実施責任者:富山市保健所 生活衛生課
場所:富山県富山市
居住者: 当事者(60代、女、スーパーに勤務)、当事者義母(80代、女、無職)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:21頭
手術日:4月6日
協力病院:アスラン動物病院
チケット発行数:18枚(申請時に把握できていた成猫分を申請)
手術頭数:9頭(9頭分のチケットが未使用となったが、健康状態から手術不可と診断された2頭を除き全頭手術済)

申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)

  1. 10年ほど前に自宅で猫を1頭飼育していたが、そこに捨てられた5頭の猫を保護した。
  2. 保護した5頭のうち、2頭は譲渡できたが3頭が残ってしまった。さらに近くの工場に捨てられた猫を保護しているうちに繁殖。最終的に21頭まで増えてしまった。
  3. 当事者は、猫が増え始めたことに危機を感じて夫(令和3年1月に逝去)に不妊手術について相談。しかし、夫が不要と言い張ったため手術することができなかった。
  4. 夫の死後、離れて暮らす当事者の娘から動物愛護推進員を通じて相談があった。
  5. 申請前に子猫4頭が生まれたが1頭はすぐに死亡。残りの子猫3頭を除いた成猫18頭分について多頭飼育救済を申請するも、実際には19頭であった。また、申請後に子猫3頭は亡くなってしまった。
  6. 4月6日に9頭の手術を実施。5月11日にも9頭を手術予定であったが、当事者の身内に不幸があり中止。4月6日の手術後にオス1頭が亡くなり、未手術の2頭(オス1頭、メス1頭)も亡くなってしまう。この時点で猫の総数は16頭(うち未手術の猫8頭)となった。
  7. 協力病院とのスケジュールが合わず、また、譲渡を急いでいたことから4月20日に当事者が自費で2頭を手術。その後、6月4日と6月21日にも当事者が自費で4頭の手術を行い、未手術の猫はオス2頭となった。
  8. 未手術のオス2頭は健康状態が悪く、獣医師の診断により手術不可と判断。
  9. 手術終了後に動物愛護推進員を介して何頭か譲渡する予定だったが、動物病院で血液検査を行ったところ猫エイズに感染している猫がいることが判明。ほとんどの猫が猫風邪を発症していることからも譲渡は困難と判断。当事者が引き続き飼育を継続することとなった。
手術日 オス メス 耳カットのみ
4月6日 4 5 0 9
4 5 0 9

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
手術は全頭したいところではあったが、健康面で不良なオス2頭が未手術で残ってしまった。


どうぶつ基金スタッフコメント
チケットは18枚発行されましたが、結果的に使用したチケットは9枚。当事者が自ら費用を負担して6頭を手術しています。
つまり、これぐらいの頭数であれば、すぐにでも不妊手術を受けさせることができたということです。当事者自身は、猫が増えていくことに危機を感じていたということですから、家族の反対があったとは言え、何とか説き伏せて不妊手術を行っていれば今とは違う結果になっていたかもしれません。
支援完了までの間に4頭の子猫を含む7頭が亡くなり、2頭は健康状態が悪く手術不可となりました。感染症の蔓延から譲渡を断念し、猫たちはこのまま当事者宅で生涯を過ごします。当事者には16頭の命に対する責任があります。残った猫たちが健やかに寿命を全うできるよう、その責任をしっかり果たしてほしいと思います。


 
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