60_群馬県渋川市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)

申請No.60
申請日:2021年11月19日
申請/実施責任者:渋川市 環境政策課
場所:群馬県渋川市
居住者:当事者本人(男、72歳、無職)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:16頭
手術日:12月24日
協力病院:ふー動物病院
チケット発行数:27枚(当事者に聞き取った27頭分を申請)
手術頭数:16頭
協働ボランティア名:群馬わんにゃんネットワーク

申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)

  1. 母親が亡くなって独居となり、近所の方から子猫1頭を譲り受け飼育を始めた
  2. 室内外を行き来させていたことから、譲り受けて約2年後に4頭の子猫(オス2・メス2)が生まれる。
  3. その後も未手術の状態で室内外を行き来させる飼育環境は変わらず。数が増え続けて現在27頭まで増加している。
  4. 市の福祉部局から情報提供があり多頭飼育崩壊が発覚。
  5. 27頭のうち6頭が子猫だが、瞬膜が出ていてくしゃみ・鼻水がひどい。動物病院で処方された目薬を継続して点眼するよう指導。
  6. また、当事者宅から離れた川でしか猫が水分補給できない状態であったため、家に水飲み場を設置することも指導した。
  7. 当事者は高齢で独居、年金生活であり金銭的余裕がないこと、関係のある親族もいない。このまま放置していると飼育困難になる可能性が非常に高いと判断し、申請に至る。
  8. 現場は農村部の山中。猫も室内外を行き来していて総数の把握が難しかったが、当事者に聞き取りを行いながら申請枚数を決定。
  9. しかし、その後の調査で実際の頭数が16頭であることが判明。チケットにより全頭の不妊手術が完了した。
  10. 猫はそのまま同じ場所に住みつづける。
  11. 室内の清掃を行ったことで衛生環境が改善し、悪臭がなくなった。また、猫が室内で動きやすくなったことでストレスの軽減にもつながっている。
  12. 上記にくわえて適切な餌やり等の指導を継続し、さらなる飼育環境の改善につなげていきたい。
手術日 オス メス 耳カットのみ
12月24日 9 7 0 16
9 7 0 16

【現場写真(支援前)】

【現場写真(支援後)】

今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
今回の現場は農村部の山中にあり、当初正確な猫の頭数を把握することが困難でした。チケットに余りを出してしまい、申し訳ありませんでした。また、当事者の宅内が乱れていたことから掃除等を平行して行い、衛生面に配慮しながら対応しました。
今後とも室内を清潔に保つことや適切な餌やり等を指導していくことで、さらに改善していく必要があると思われます。


どうぶつ基金スタッフコメント
多頭飼育救済において、当事者が猫の頭数をしっかり把握できていないことはよくあります。今回は申請頭数よりも10頭以上少ない結果となりましたが、全頭に不妊手術ができて良かったと思います。支援時に室内の清掃も行われ、悪臭もなくなったとのこと。行政によって子猫の健康管理や水飲み場に関する指導も行われ、猫にとって最悪の状況は脱せられたのではないでしょうか。16頭の猫が健やかに日々を過ごせるよう、今後も指導の継続をお願いしたいと思います。
また、今回は福祉部局からの情報提供がきっかけでした。多頭飼育崩壊やその予備軍を早く発見するためには、このように他部署との連携が欠かせません。特に福祉部局との連携が今後ますます重要になってくるでしょう。


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