83_長野県東御市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.83
申請日:2022年3月2日
申請/実施責任者:東御市 生活環境課
場所:長野県東御市
居住者:当事者本人(女、37歳、パート)父(67歳、パート)母(58歳、パート)同居人(44歳、パート)
居住環境:持ち家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:16頭
手術日:2022年3月18日
協力病院:しんけん動物病院
チケット発行数:16枚
手術頭数:13頭(3頭が捕獲できず)
協働ボランティア名:一匹でも犬・ねこを救う会
申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)
- 10年ほど前から猫を飼育している。きっかけは2頭の野良猫を保護したことだった。
- 不妊手術をせずに室内外を自由に行き来させていたら増えてしまった。これまでに何頭か保健所を介して譲渡したこともある。
- 社会福祉協議会からの相談で発覚し、不妊手術を実施するよう指導してきたが改善されず。
- これ以上猫が増えると地域の生活環境を害し、また餌代の増加など当事者の日常生活にも支障を及ぼす恐れがあり、当事者が手術費用を捻出する事が困難であることから申請を決定した。
- 16頭のうち3頭が捕獲できず、残る13頭が手術済みとなった。この時に未手術となった3頭については、後日捕獲して当事者の費用負担で手術済みとなっている。
- トイレが複数設置され、糞尿がトイレの外から床に漏れている状況が改善され、部屋の壁など場所を問わず尿をすることもなくなった。
- 猫はとても大人しくなり、ストレスも軽減したようである
- 今後も当事者が16頭を飼育していくが、行政とも連携して譲渡を少しずつ進める予定である。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
3月18日 | 6 | 7 | 0 | 13 |
計 | 6 | 7 | 0 | 13 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
多頭飼育の現状把握ができなかったことから、福祉部局との連携が必要だと感じました。協働したボランティア団体や動物病院とは連携して取り組むことができました。
どうぶつ基金スタッフコメント
不妊手術をせずに室内外を自由に行き来させるとほぼ100%妊娠します。猫の繁殖力を甘く見ていると、あっというまにこのケースのような状況に陥ります。「野良猫を保護する」「捨てられていた猫を保護する」といった優しい気持ちから始まったことが、不妊手術を怠ることで、結果的に猫も人も苦しめてしまうのです。
未だに「不妊手術は自然に反する」という意見を耳にすることがありますが、猫は野生動物ではありません。人と生活をともにしている時点でもう自然ではありません。無制限に出産をさせ、猫の身体や精神への負担も考えず、多くの子猫が成長できずに死んでいくことが最良でないことは明らかです。多頭飼育支援もTNRも根っこは同じ、不幸な命を生み出さないために不妊手術は絶対に必要だと考えています。