17_富山県富山市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.17
申請日:2022年7月20日
申請/実施責任者:富山市保健所 生活衛生課
場所:富山県富山市
居住者:当事者本人(78歳、女、無職)、娘(52歳、会社員)、孫(28歳、男、アルバイト)、孫(26歳、女、無職)
居住環境:持ち家/戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:17頭
手術日:9月6日
協力病院:アスラン動物病院
チケット発行数:5枚(手術済みの11頭とボランティアが保護した子猫1頭を除く5頭分を申請)
手術頭数:5頭
協働ボランティア:しっぽのこころ
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 12年ほど前、知人が保護したメスの子猫1頭を譲り受けた。
- 譲り受けたメス猫1頭を未手術で外飼いしていたため、1年ほどして妊娠し4頭の子猫が生まれた。その子猫(オス2頭、メス2頭)も同様に未手術で外飼い。5年ほどでどんどん猫が増えた。
- 当事者の孫(女)からボランティア団体に相談が寄せられ、ボランティア団体から市へ情報提供があり発覚。
- 子猫や若い猫など譲渡できる個体は譲渡するよう指導を行ったが、当事者宅の荒れ方(台所の浸水、天井の崩落)や猫の様子から状況がかなり切迫していると判断。当事者家族は多数の猫の世話に追われ、経済的にも困窮していることから申請を決定した。
- 支援後は、室内がやや清掃され臭いも若干低減した。トイレの数や運動スペースに変化はないが、飼育環境が少し改善されたことで猫のストレスも低減したように思う。
- 不妊手術は完了したが、目ヤニなど猫風邪の症状をもつ個体がいるため今後も継続して治療していく。
- 申請時に生後2~3カ月だった子猫1頭は、里親が見つかる可能性が高いためボランティアが保護。譲渡後に里親にて不妊手術を実施予定である。
- 現場に残る16頭の猫については、協働したボランティア団体の譲渡会などを活用して里親探しを継続し頭数を減らしていく。最終的に当事者の手元には2頭のみを残す予定である。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
9月6日 | 3 | 2 | 0 | 5 |
計 | 3 | 2 | 0 | 5 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
申請した5頭の手術が無事に済んだことがまず良かった。当事者家族が部屋の片づけに消極的で飼育環境の改善が不十分であること、譲渡希望の14頭に引き取り先が無事見つかるかどうかが、今後の課題である。
どうぶつ基金スタッフコメント
申請時に1頭いた子猫は保護され、現場に残る16頭も今回の支援で全頭が手術済みとなりました。14頭について譲渡先探しを行い、最終的に当事者の手元に2頭を残す予定とのことです。しかし、現場の飼育環境は決して良くなったとは言えません。猫風邪などで治療が必要な猫もいるとのことであればなおさら、飼育環境の改善について当事者への指導を継続していただき、猫たちが健やかに過ごせる環境を整えることが必要です。
発覚のきっかけは同居のお孫さんからの相談でした。現状を疑問に感じて自ら相談した人が同居家族の中にいたことはまだ救いがあります。この支援を無駄にせず、猫も人も生活を立て直すきっかけにしてほしいと心から思います。