47_茨城県石岡市多頭飼育救済支援レポート(行政枠)同案件2回目
申請No.47
申請日:2022年12月2日
申請/実施責任者:石岡市 生活環境課
場所:茨城県石岡市
居住者:当事者本人(61歳、女、無職)、長男(30歳、無職)
居住環境:貸家/戸建て
生活保護の受給状況:受給予定(相談中)
多頭飼育現場の猫の総数:63頭(1回目の支援時に総数80頭と推定するも最終的には63頭)
手術日:12月7日
協力病院:茨城さくらねこクリニック
チケット発行数:40枚(推定80頭のうち未手術40頭分を申請)
手術頭数:23頭(数頭の脱走と実数が把握できていなかったことにより17枚未使用)
協働ボランティア:個人ボランティア
申請から不妊手術完了までの経緯(報告書より)
- 1回目の支援時に想定以上の猫がおり総数80頭と推定。不足した40頭分について2回目の申請を行った。
※石岡市1回目のレポートはこちら - 捕獲時に数頭が脱走し、また、頭数把握を推定で行ったため実際の頭数と開きがあり17枚のチケットが未使用となった。今後、未手術の猫が見つかった場合、費用負担について当事者と協議のうえ手術を実施する予定。
- 申請時は貸家(一戸建て)を清掃して猫を元へ戻す予定であったが、猫の糞尿等の悪臭が酷く、猫の頭数も多いことから断念。当事者は猫の所有権を放棄し、当事者家族は転居して知人宅に間借りをしている。
- 猫はボランティアが全頭保護。新たな家を賃借して飼育しており、多頭飼育救済前と比べると飼育環境は劇的に改善された。餌やりやトイレ等、ボランティアが定期的にお世話をしている。
- 猫の健康状態に問題はない。これまで当事者以外の人と接する機会がなく人馴れしていないが、里親探しを継続して行う。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
12月7日 | 7 | 16 | 0 | 23 |
計 | 7 | 16 | 0 | 23 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(報告書より)
今回、どうぶつ基金の多頭飼育救済支援を活用させていただき、2回にわたる支援で63頭の猫の不妊手術と猫の生活環境の改善に寄与することができました。猫は全頭ボランティアが保護し、定期的に猫の世話をしながら里親募集等をしていただいています。
これまで行政やボランティアが注視していた現場でしたが、当事者の意向もあって手術ができなかった案件でした。これほどまでに猫が増えているとは予想できず、所有権の問題はあるものの、もう少し早く何かしらの対応を行う必要があったのではないかと考えております。
今回の活動では、捕獲器の設置や猫の搬送以外にも行政への対応要請がボランティアからあり、そういったことも含め、同様の多頭飼育崩壊が市内で発生した際の対応を検討していく必要があると感じました。
どうぶつ基金スタッフコメント
2回の支援によって、現時点で確認できる63頭全頭が手術済みとなりました。現場宅の状態や当事者の経済状況から猫を当事者に戻すことは断念し、当事者は所有権を放棄しました。人馴れしていない猫が多いとのことですが、時間はかかってもボランティアのお世話によって徐々に変化が見られると思います。すべての猫に新しい家族が見つかることを願っています。
猫に限らず、最近はフクロウやハリネズミなどを展示する「〇〇カフェ」が際限なく増えています。動物は人を楽しませるために存在しているのではなく、癒しを与えるために存在しているのでもありません。当事者や交際相手の猫カフェを開くという安易な発想には怒りを覚えます。知識も理解も覚悟もない人間に商売道具にされるのは動物にとって地獄です。条件さえ揃えば安易に開業できてしまう現行の制度についても大きな問題があると考えます。