62_群馬県大泉町多頭飼育救済支援レポート(行政枠)
申請No.62
申請日:2023年2月9日
申請/実施責任者:大泉町役場 環境整備課
場所:群馬県大泉町
居住者:当事者本人(54歳、女性、専業主婦)、夫(62歳、アルバイト)
居住環境:借家/一戸建て
生活保護の受給状況:受給していない
多頭飼育現場の猫の総数:16頭
手術日:2023年2月21日、22日、27日、28日、3月16日、17日
協力病院:中村動物病院
チケット発行数:11枚(手術済み5頭を除く11頭分を申請)
手術頭数:11頭
協働ボランティア名:なし
申請から不妊手術完了までの経緯(行政報告書より)
- 当事者の母が以前から猫を飼育していたが、2022年5月に倒れて町の介護施設に入所したため、猫の飼育ができなくなった。しばらくの間、当事者が母親宅を訪問して猫10頭(オス5頭、メス5頭)に餌を与えていた。
- その後、猫の里親が見つからないため当事者が一時的に引き取った。当事者は20年以上前から猫を飼育しており、この時点ですでに6頭(オス2頭、メス4頭)を飼育していた。
- 引き取ったメスのうち2頭が計6頭の子猫を生んだが、6頭すべてが飼育している成猫に噛まれて亡くなってしまった。その後も、引き取った猫10頭と当事者がもともと飼育していた6頭の計16頭を何とか飼育しているが、不妊手術の費用が賄えず現在に至る。
- ボランティアから情報提供および相談があり多頭飼育状態が発覚。
- 適正飼育について指導したほか、雌雄を分けてネットで仕切って飼育していたため、手術をするまではネットを破られることがないよう確認・注意するよう指導した。
- 当事者と面談を行ったが、1頭が妊娠していることが判明。早急に対応する必要があると考え申請に至る。
- 術後はオスのマーキングがなくなって臭いが減少。清掃の負担も軽減した。また、ネットによる仕切りを取り外したことで空間が広くなり、ストレスがなくなったように思われる。
- 猫は全頭当事者宅へ戻ったが、譲渡することを希望しているため、動物愛護団体に相談しながら進めていきたい。
手術日 | オス | メス | 耳カットのみ | 計 |
2月21日 | 1 | 1 | 0 | 2 |
2月22日 | 1 | 1 | 0 | 2 |
2月27日 | 1 | 1 | 0 | 2 |
2月28日 | 1 | 1 | 0 | 2 |
3月16日 | 1 | 1 | 0 | 2 |
3月17日 | 0 | 1 | 0 | 1 |
計 | 5 | 6 | 0 | 11 |
今回の取り組みを振り返り、改善すべき点や今後の配慮事項(行政報告書より)
初めての事案であったが、行政が現場を把握したうえで協力病院(中村動物病院)との調整を行ったことで、手術などスムーズにできた。今回の協力病院は頭数指定があったため、完了までに時間がかかってしまった。
どうぶつ基金スタッフコメント
すでに6頭の猫を飼育しているところに一度に10頭も猫が増えたのですから、当事者も大変だったと思います。完全室内飼育で雌雄を分けていたにもかかわらず支援前に1頭が妊娠するなど、今後爆発的に数が増える可能性もありましたが、比較的早期に発見されて支援につながったことは幸いでした。
全頭手術済みとなって雌雄を分けて飼育する必要がなくなり、広いスペースで過ごせるようになったことで猫のストレスも軽減したようです。猫は引き続き当事者が飼育しますが、譲渡を希望しているとのこと。猫が繁殖することへの不安や焦りがなくなった今、行政や動物愛護団体の協力を得て、今後の猫たちのために良い里親を探してあげてほしいと思います。